2023.11.24

外壁塗装で使う刷毛(はけ)の種類とメーカー

外壁塗装の道具は「塗装副資材」といって、ローラーや刷毛などがそれに当たります。
塗装副資材と呼ばれる塗装道具たちは、塗装全般の作業効率や仕上がりのクオリティーを大きく左右するため、もちろん私たち塗装業者にとってはなんでもいいわけではありません。

今回は外壁塗装工事の名脇役、「刷毛」についてご紹介したいと思います。

用途によって使い分ける刷毛の種類

現在、外壁塗装の道具としては素早く広い面積を塗れて塗料のロスも少ないローラーが最も広く活用されています。
ただし、ローラーにも「細部の塗装には使用できない」という最大の弱点があり、この弱点をカバーするために、刷毛が活用されます。

 刷毛の最大の活躍のシーン「ダメ込み」

外壁塗装では細部の塗装のことを「ダメ込み」といいます。
これは「ダメ(施工不良)が出ないようにしっかり塗り込む」という意味で、

  •  目地
  •  入り隅(庇の付け根など)
  •  電気・ガス・水道の配管まわり

などが、外壁塗装を行う際に刷毛によるダメ込みが必要になる部分です。
つまり、刷毛で塗装するのは「ダメ」が出やすい部分、つまり技術が求められる難しい部分であるとも言えます。

刷毛によるダメ込みはローラー塗装に先行して行う必要がありますが、一人の職人が刷毛のダメ込みとローラー塗装を同時に進めていくパターンと、ダメ込みとローラーを二人で分担して進めていくパターンとがあります。

 刷毛にはどんな種類がある?迷ったら形状と素材で選ぼう!

「弘法筆を択ばず」という言葉がありますが、プロの塗装屋はたいてい、目的に合わせて刷毛を選んでいます。

刷毛は「形状」と「毛の素材」によって様々な種類があり、これらを使い分けられるようになれば、塗装の腕前も上達します。

刷毛の形状にはどんなものがある?

外壁塗装で使用される刷毛の代表的な形状としては、

  •  「平刷毛」・・・平で毛束が幅広い普通の刷毛
  •  「筋違い(すじかい)刷毛」・・・先端の毛束の部分が柄に対して45°ほど傾いている刷毛
  •  「目地刷毛」・・・毛束が筆のように細い刷毛

などがあります。

刷毛の毛の素材にはどんなものがある?

刷毛に使用される毛は主に、

  •  化学繊維
  •  獣毛(ウマ・ブタ・ヤギなど)

の2種類です。
それぞれのメリット・デメリットを理解すれば用途に適したハケを選ぶことができるでしょう。

刷毛の代表的な素材のいくつかを下記にご紹介します。

化学繊維
化学繊維の刷毛は耐摩耗性や耐薬品製に優れ、幅広い用途に使えるというメリットがあります。
安価で手に入りやすいというのも嬉しいポイントです。

吸水性が低いというデメリットもありますが、水性塗料の塗装においては不便なく使用できるでしょう。

馬毛
馬の毛で作られた刷毛は弾力性や柔軟性が高く、塗料をよく含むため使い勝手の良いというメリットがあります。
化学繊維の刷毛に比べてやや高くなります。

山羊(ヤギ)毛
山羊の毛で作られた刷毛は、馬毛にくらべてやや硬いのが特徴です。
しかし毛の根元の硬さに対して先端は柔らかく、サラサラとした塗料や防腐剤などもたっぷり含みます。

塗装業者がよく使う刷毛メーカー大塚と大関

塗装副資材を専門に取り扱うメーカーはいくつかありますが、私たち外壁塗装業者がよく使っている代表的な2つのメーカーをご紹介しましょう。

大塚刷毛製造株式会社

大塚刷毛製造株式会社は株式会社マルテー大塚のグループ企業で、刷毛の名称としてもこの「マルテー」というブランド名が使用されていて、アルファベットの “T”を丸で囲んだマルテーのロゴが大塚刷毛製品の特徴です。

マルテー大塚のグループ会社では建築分野だけでなく、自動車の塗装に関する機械類も取り扱っています。

株式会社大関

株式会社大関は、くりはら塗装と同じ千葉県にある会社で、千葉市・相模原市・横浜市・川口市・大阪市にある実店舗に加えて、独自のオンラインストアも充実しています。
目地刷毛だけでもかなりの種類が取り揃えてあり、外壁塗装業者にとっては痒いところに手が届くラインナップと言えるのではないでしょうか。

高級刷毛を何度も使うか?安価な刷毛を消耗品として使うか?

刷毛を選ぶ基準はいろいろありますが、何を重視するかは職人ごとに異なります。

例えば、刷毛は消耗品なので販売価格も刷毛選びの一つの大切な基準になりますが、やや高級な刷毛を購入してなるべく長く使いたいという職人もいれば、ある程度のクオリテイーでなるべく安い刷毛を短いスパンで使い捨てる、という職人もいます。

これはどちらが良い・悪いというものでは無く、職人ごとの考え方や作業の進め方、受注する案件の傾向などにもよるでしょう。
ちなみに、当店は比較的安価な刷毛を使い捨てるタイプで、1件の外壁塗装で20本くらいの刷毛を消耗しています。

刷毛でDIY塗装にチャレンジしてみよう!

刷毛の塗装は難易度が高そう、と思われるかもしれませんが、ちょっとしたコツを覚えておけばDIY初心者でも上手に塗ることができます。
最初は、棚や椅子・テーブルなど比較的小型の家具の塗装から始めてみるのはいかがでしょうか?

もちろん刷毛は技術が要る道具ですが、それだけ上達する楽しみもあります。
下記のポイントを押さえて、刷毛塗装のDIYにチャレンジしてみましょう。

刷毛塗装のDIY! まず塗装の前にやるべきこと

【1】複数の刷毛をそろえる

刷毛はいくつかの種類を揃えて使い分ければ、いろんな箇所を手際よく塗装できます。
コーナー用や広範囲用などサイズや形状の異なる刷毛を2〜3本ほど用意しておくのがおすすめです。

【2】刷毛の抜け毛を取り除く

買ったばかりの刷毛の毛は抜けやすくなっています。塗装中、塗料に抜け毛が混ざると見栄えが悪くなってしまいますので、まずはしっかりほぐしたりしごいたりするようにして、抜け毛を取り除いておきましょう。

【3】塗料はしっかり攪拌(かくはん)しておく

刷毛に直接関係はありませんが、塗料が均一に混ざっていないと刷毛への塗料の乗りも悪くなります。
塗料は刷毛ではなく、木の棒などの別の道具でしっかり攪拌しましょう。

刷毛塗装のDIY! 刷毛の上手な使い方をマスターしよう

【1】握り方は「えんぴつ握り」

刷毛はあまり力を入れて握る必要はありません。
鉛筆を握るように、中指と親指で刷毛を軽く挟み、他の指を優しく添えるのが正しい握り方です。

【2】刷毛の塗装は「縦使い」

これは誤解している人が多いかもしれませんが、刷毛は幅の広い面を横使いにして塗るのではなく、縦にスライドさせるように使います。
刷毛の幅が無駄になり、効率が悪い塗り方のように感じるかもしれませんね。
しかし、縦使いで塗装する方が塗料のノリがよく、ムラもできにくくなるんです。

木材を塗装する場合には木目の方向に沿って刷毛を動かします。

【3】刷毛の動きは止めずに「払う」

刷毛で塗装する時には、毎回の動きの終わりを、書道で言う「止め」ではなく「払い」とするようにします。
この動きで塗ると、塗装面にムラや塗り筋ができにくく、綺麗な仕上がりになります。

まとめ

外壁塗装では、ローラーと各種の刷毛を上手に使い分けていろんな部分を塗装していきます。
プロの刷毛の選び方や使い方をマネれば、DIYでも刷毛塗装を上手に行うことができるでしょう。

いきなり外壁塗装は難しくても、身近な家具のDIY 塗装から始めてみれば、思った以上にカンタン・キレイに仕上げられるかもしれません。
ぜひ、興味があれば刷毛塗装のDIYにもチャレンジしてみてください!

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