
お家のちょっとした塗装メンテナンスを、自分でやってみたいと考える方は多いでしょう。
DIY塗装を成功させるための鍵は、塗装する部材に応じた適切な下地処理です。
中でも「ケレン」という工程は、見た目や耐久性に大きな影響を与える重要な作業です。
この記事では、自宅のベランダ手すりを塗装する場面をイメージしながら、ケレン作業の必要性や、失敗を防ぐためのコツをわかりやすく紹介していきます。
ケレンとは何か?DIY塗装でも必要か?
ケレンとは、塗装を始める前に行う下地処理のことで、古い塗膜やサビ、汚れを取り除いて新しい塗料がしっかり密着するようにする作業を指します。
この工程がどれほど重要か、驚く方も多いかもしれません。
特に外壁やエクステリア部分、例えばベランダの手すりやシャッター、雨戸、フェンスなど、金属素材が多く使用されている場所では欠かせない工程です。
金属部分は長年の風雨によってサビが発生しやすく、そのままでは塗料の持ちが悪くなるからです。
もしこのケレン作業を怠ると、DIY塗装は思ったような仕上がりになりません。
例えば、塗膜にムラができて見た目が美しくならない、塗装後すぐに剥がれてしまう、あるいはサビが塗膜の下で広がってしまうことがあります。
さらに、サビを放置すると建物の構造そのものに影響を及ぼし、雨漏りなどのトラブルの原因になることも。
特に金属部分の劣化が進んでいる場合は、ケレン作業が面倒に感じるかもしれませんが、それでも丁寧に行うことが大切です。
DIYで塗装を考えている方は、ケレンに十分な時間と労力をかける計画を立ててみてください。
DIYでケレンするために必要な道具
ケレン作業に使用する道具は、下地の劣化の程度やサビの深さによって異なります。
一般住宅のDIY塗装では、比較的軽いケレン作業で済むことが多いため、必要な道具は手軽にそろえられるものが中心です。
以下の道具を準備しておくと、スムーズに作業を進められるでしょう。
これらの道具で除去できないような深刻なサビや広範囲に及ぶサビがある場合は、ディスクサンダーといった電動工具が必要です。
ディスクサンダーは強力な研磨力を持ち、効率よく大面積を処理できますが、扱いにコツがいるため、使用する際は取扱説明書をしっかり読み、安全に注意して作業してください。
また、どの道具を使う場合でも、保護メガネや手袋、マスクなどの安全装備を忘れずに着用することが大切です。これにより、粉塵やサビ片から身を守りながら安心して作業できます。
失敗を防ぐ!ケレンの適切な方法と注意すべきポイント
ここでは「ベランダの金属製手すりをDIY塗装する」という具体的な例を用いて、ケレン作業の大切なポイントを手順に沿って解説します。
しっかり準備をすることで、仕上がりが美しく耐久性のあるものになります。
1:塗膜が劣化していない箇所は表面だけ目荒らしする
まず、塗装前にサンドペーパーを使って金属表面をざらつかせる「目荒らし」を行います。
目荒らしは、塗料がしっかりと密着し、塗膜が長持ちするために欠かせない作業です。
塗膜が大きく劣化していない場合でも、この作業を省略せずに行うことが重要です。
目荒らしをすることで、表面の平滑さが取り除かれ、新しい塗料が金属面に強く定着します。
2:正しい手順で作業する
DIYで失敗せずにきれいな仕上がりを実現するためには、塗装工事の手順を守ることが大切です。
以下に、具体的な作業工程を紹介します。
●高圧洗浄
最初に下地を高圧洗浄機で水洗いし、汚れや古い塗膜をしっかりと除去します。
これにより、塗料が直接下地に接着しやすくなります。
●下地処理(補修・ケレン)
高圧洗浄で落ち切らなかったサビや古い塗膜は、ワイヤーブラシやサンドペーパーを用いてケレン作業を行います。
ひび割れなどの補修もこのタイミングで済ませておきましょう。
もしサビが少ない場合でも、目荒らしを忘れず行うことで塗料の密着性が向上します。
●下塗り(サビ止め)
次に、サビ止め効果のある下塗り材を塗布します。
これは金属の腐食を防ぐ重要な工程ですので、適切な製品を選びましょう。
●中塗り・上塗り
下塗りが乾いた後、鉄部に対応する塗料を2回塗ります。
中塗りと上塗りの間に乾燥時間をしっかり確保することで、ムラのない美しい仕上がりが実現します。
まとめ
DIYで塗装メンテナンスをするなら、理想の仕上がりを長く保てるように、丁寧な下地処理が欠かせません。
ケレン作業は地道ですが、仕上がりの美しさと耐久性に大きく影響する大切な工程です。
DIY塗装では、ぜひケレンをしっかり行い、長く満足できる仕上がりを目指してみてください。