有機溶剤とは、さまざまな物を溶かす性質のある有機化合物のことです。とくにトルエン・キシレン・アセトンなどが代表的で、アルコール(エタノールやメタノール)も有機溶剤の一種となります。
有機溶剤はインク・塗料や洗剤などさまざまな製品に活用されている身近な物質ではありますが、下記のような性質があるために取り扱いには十分注意しなければなりません。
有機溶剤が体内に入ると、下記のような症状が現れることがあります。
「有機溶剤作業主任者」という資格は、有機溶剤を使用する作業の中で上記のようなリスクを未然に防ぐことを目的としています。作業環境を改善し、その場で作業する多くの人の健康と安全を守る大切な資格です。
塗装業にも生かせる資格:有機溶剤作業主任者とは
有機溶剤作業主任者は、労働安全衛生法によって定められる国家資格の一つです。
その職務内容は「有機溶剤中毒予防規則」の第十九条の二で次のように指定されています。
屋根・外壁塗装工事で使用する油性塗料にはもともと有機溶剤が含まれていますし、アクリル樹脂塗料や2液型ウレタン樹脂塗料を薄めて塗装する際にはトルエン・キシレンなどの有機溶剤を多く含む薄め液(シンナー)を使用します。
野外で行う屋根・外壁塗装作業で有機溶剤作業主任者の選定は義務付けられていませんが、安全に作業する上ではもっておくと役立つ資格です。
有機溶剤作業主任者の資格取得方法
有機溶剤作業主任者の取得のための条件は下記の通りです
この技能講習には実技を含まず、とにかく下記のような安全のための知識の修得が重視されます。
上記の内容に関する講習を受けた後、最後の修了試験をパスすれば無事に「有機溶剤作業主任者」となることができます。
有機溶剤作業主任者は国家資格といっても、まじめに技能講習を受けていれば基本的に修了試験を落とすことはなく、取得が難しい資格ではありません。
有機溶剤作業主任者の資格が生かせる職業
有機溶剤作業主任者の資格をもっていれば、下記のような職場で活躍する機会が広がるかもしれません。
まとめ
有機溶剤作業責任者の資格は取得が比較的簡単で、仕事の幅が広がる可能性もあります。また、有機溶剤作業責任者の選任が必須ではない職場でも、この資格があれば作業を安全に進める上で役に立つでしょう。