2025.09.22

あなたの家はどんな屋根?塗り替え前に屋根材の特徴を知ろう

 

築10〜20年の戸建て住宅にお住まいの皆さん、そろそろ屋根の塗り替えを検討する時期ではないでしょうか。
外壁塗装と同時に屋根のメンテナンスを行うことで、住まい全体を効率的に保護できます。

塗り替え工事を成功させるためには、まず自分の家の屋根材の種類と特徴を理解することが重要です。
屋根材によって塗装方法や使用する塗料、メンテナンス周期が大きく異なるからです。
今回は、日本の戸建て住宅で使用されている主要な屋根材について、統計データとともに詳しく解説します。

日本の住宅における屋根材使用状況

矢野経済研究所の調査結果によると、2021年度の国内屋根材市場における素材別シェアは以下の通りです。

屋根材素材別シェア(2021年度)

  • 1位 金属屋根材:63.2%
  • 2位 セメント系瓦(化粧スレート):15.0%
  • 3位 粘土瓦:13.4%
  • 4位 シングル材(アスファルトシングル):5.6%
  • 5位 石粒付金属屋根材:2.9%

※出典:矢野経済研究所「屋根材市場に関する調査(2022年)」
このデータから、現在の日本では金属屋根材が最も多く採用されていることがわかります。
特に新築住宅では、太陽光発電設備の設置に適した片流れ屋根の普及とともに、金属屋根材の採用が加速しています。

塗り替えが必要な屋根材の種類と特徴

築10〜20年の住宅で多く使用されている、塗装メンテナンスが必要な屋根材について詳しく解説します。

 コロニアル(化粧スレート)

コロニアル屋根

コロニアルは、化粧スレート、スレート瓦、カラーベストなどとも称されます。

基本的な特徴
主要材料:セメントとパルプ(繊維質)
厚さ:約5mm
重量:軽量(瓦の約1/2)
価格:比較的安価

コロニアルはセメントとパルプでできているため、窯業系サイディングと同様に定期的な塗装メンテナンスが必要です。
最初から色やデザインが施されているコロニアルも、紫外線や雨風の影響で徐々に劣化するため、10〜15年周期でのメンテナンスが推奨されます。

築10〜20年での注意点
チョーキング現象(白亜化)の発生
苔やカビの発生(特に北面)
端部の欠けや割れ
棟板金の劣化

重要:「化粧スレート・スレート瓦」と「スレート」は全くの別物!

コロニアルの別名「化粧スレート」を、「スレート」と省略して呼ぶことがありますが、この両者は全くの別物です。 本来「スレート」とは粘板岩を指し、非常に美しく重厚感のある屋根材ですが、重量があり高額なため、日本の一般住宅ではほとんど使用されません。

 アスファルトシングル

アスファルトシングルの屋根

フェルト状の基材にアスファルトを染み込ませ、表面に砂をあしらった屋根材です。

基本的な特徴
主要材料:アスファルト含浸基材+表面砂粒
形状:柔軟性があり、カッターやハサミで切断可能
重量:軽量
デザイン性:豊富な色彩とパターン

アスファルトシングルも定期的な塗装メンテナンスが必要ですが、溶剤系の塗料を使用するとアスファルトが溶け出してしまうため、必ず水性塗料を使用しなければなりません。

築10〜20年での注意点
表面砂粒の脱落
端部の反り上がり
色褪せの進行

 セメント瓦

セメント瓦の屋根

セメントを和瓦のデザインに形成したものがセメント瓦です。

基本的な特徴
主要材料:セメント
形状:和瓦を模したデザイン
重量:粘土瓦よりやや軽い
現在の使用状況:新築ではほとんど使用されない

築20年を超えるような建物では今もセメント瓦が使用されているケースがあります。
和瓦とは異なり塗装が必要で、きちんと定期的にメンテナンスしていれば見栄えも良く長持ちします。

築20年前後での注意点
塗膜の剥がれによる吸水
凍害による割れ(寒冷地)
漆喰部分の劣化

塗り替えが不要な屋根材の種類と特徴

 ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板の屋根

現在最も人気の高い金属系屋根材の代表格です。

基本的な特徴
主要材料:鋼板にアルミニウム・亜鉛合金メッキ
重量:非常に軽量
耐震性:優秀
デザイン性:モダンで都会的

ガルバリウム鋼板は基本的に塗装の必要がありません。
製品保証も「穴あき25年保証」などがあり、長期間メンテナンスフリーで使用できます。

メンテナンス上の注意点
塩害地域での定期的な水洗い(年2回程度)
表面傷による局部的なサビ
雨樋や笠木部分のシーリング点検

 和瓦(日本瓦)

和瓦の屋根

日本で伝統的に使用されてきた屋根材で、以下の2種類があります。

釉薬瓦(陶器瓦)
焼成時にガラス質の釉薬を使用
表面に光沢がある透明感が特徴
塗装不要
いぶし瓦
焼成時に釉薬を使用しない
独特の焼成方法による深みのある銀色が特徴
塗装不要(経年変化による色ムラは劣化ではない)
和瓦の特徴
耐久性:50年以上
断熱性・防音性:優秀
重量:重い(耐震性への配慮が必要)
メンテナンス:基本的に塗装不要

築10〜20年住宅の屋根材別メンテナンス計画

築10〜15年の住宅
コロニアル・アスファルトシングル:初回塗装の検討時期
セメント瓦:塗装状況の点検、必要に応じて塗り替え
ガルバリウム鋼板:基本的にメンテナンス不要、点検のみ
和瓦:基本的にメンテナンス不要、漆喰部分の点検
築15〜20年の住宅
コロニアル・アスファルトシングル:塗装必須の時期
セメント瓦:塗り替えが必要な可能性が高い
ガルバリウム鋼板:継続してメンテナンスフリー
和瓦:部分的な交換が必要な場合がある

屋根材の確認方法

自分の家の屋根材がわからない場合は、以下の方法で確認できます。

  • 建築時の資料確認:設計図書や仕様書
  • 外観からの判断:2階の窓や隣接する建物から観察
  • 専門業者による点検:無料点検を実施している業者に依頼

まとめ

屋根材の種類を正しく理解することは、適切なメンテナンス計画を立てる上で非常に重要です。

  • 現在主流の金属屋根材は基本的にメンテナンスフリー
  • 化粧スレートやアスファルトシングルは定期的な塗装が必要
  • 築10〜20年の住宅では、屋根材に応じたタイムリーなメンテナンスが住宅の寿命を大きく左右

千葉県北西部のような温暖な地域でも、海からの塩分や紫外線の影響を受けるため、適切な時期でのメンテナンスが重要です。
屋根・外壁の塗装工事は同時に行うことで、足場代などのコストを効率化できます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

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