
築10〜20年の戸建て住宅にお住まいの皆さん、そろそろ屋根の塗り替えを検討する時期ではないでしょうか。
外壁塗装と同時に屋根のメンテナンスを行うことで、住まい全体を効率的に保護できます。
塗り替え工事を成功させるためには、まず自分の家の屋根材の種類と特徴を理解することが重要です。
屋根材によって塗装方法や使用する塗料、メンテナンス周期が大きく異なるからです。
今回は、日本の戸建て住宅で使用されている主要な屋根材について、統計データとともに詳しく解説します。
日本の住宅における屋根材使用状況
矢野経済研究所の調査結果によると、2021年度の国内屋根材市場における素材別シェアは以下の通りです。
屋根材素材別シェア(2021年度)
※出典:矢野経済研究所「屋根材市場に関する調査(2022年)」
このデータから、現在の日本では金属屋根材が最も多く採用されていることがわかります。
特に新築住宅では、太陽光発電設備の設置に適した片流れ屋根の普及とともに、金属屋根材の採用が加速しています。
塗り替えが必要な屋根材の種類と特徴
築10〜20年の住宅で多く使用されている、塗装メンテナンスが必要な屋根材について詳しく解説します。
コロニアル(化粧スレート)

コロニアルは、化粧スレート、スレート瓦、カラーベストなどとも称されます。
- 基本的な特徴
コロニアルはセメントとパルプでできているため、窯業系サイディングと同様に定期的な塗装メンテナンスが必要です。
最初から色やデザインが施されているコロニアルも、紫外線や雨風の影響で徐々に劣化するため、10〜15年周期でのメンテナンスが推奨されます。
- 築10〜20年での注意点
重要:「化粧スレート・スレート瓦」と「スレート」は全くの別物!
コロニアルの別名「化粧スレート」を、「スレート」と省略して呼ぶことがありますが、この両者は全くの別物です。 本来「スレート」とは粘板岩を指し、非常に美しく重厚感のある屋根材ですが、重量があり高額なため、日本の一般住宅ではほとんど使用されません。
アスファルトシングル

フェルト状の基材にアスファルトを染み込ませ、表面に砂をあしらった屋根材です。
- 基本的な特徴
アスファルトシングルも定期的な塗装メンテナンスが必要ですが、溶剤系の塗料を使用するとアスファルトが溶け出してしまうため、必ず水性塗料を使用しなければなりません。
- 築10〜20年での注意点
セメント瓦

セメントを和瓦のデザインに形成したものがセメント瓦です。
- 基本的な特徴
築20年を超えるような建物では今もセメント瓦が使用されているケースがあります。
和瓦とは異なり塗装が必要で、きちんと定期的にメンテナンスしていれば見栄えも良く長持ちします。
- 築20年前後での注意点
塗り替えが不要な屋根材の種類と特徴
ガルバリウム鋼板

現在最も人気の高い金属系屋根材の代表格です。
- 基本的な特徴
ガルバリウム鋼板は基本的に塗装の必要がありません。
製品保証も「穴あき25年保証」などがあり、長期間メンテナンスフリーで使用できます。
- メンテナンス上の注意点
和瓦(日本瓦)

日本で伝統的に使用されてきた屋根材で、以下の2種類があります。
- 釉薬瓦(陶器瓦)
- いぶし瓦
- 和瓦の特徴
築10〜20年住宅の屋根材別メンテナンス計画
- 築10〜15年の住宅
- 築15〜20年の住宅
屋根材の確認方法
自分の家の屋根材がわからない場合は、以下の方法で確認できます。
まとめ
屋根材の種類を正しく理解することは、適切なメンテナンス計画を立てる上で非常に重要です。
千葉県北西部のような温暖な地域でも、海からの塩分や紫外線の影響を受けるため、適切な時期でのメンテナンスが重要です。
屋根・外壁の塗装工事は同時に行うことで、足場代などのコストを効率化できます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。