2020.06.12

水洗いでは簡単に落ちない 外壁の雨だれを除去&予防する方法

退色・汚れ・カビやコケなど、外壁の美観が損なわれる原因はさまざまですが、外壁の汚れが軽微であれば、専門業者の手を借りなくても自分で対処することが可能です。

今回は外壁によくある問題の一つである「雨だれ」を自分の手で解決する方法をご紹介します。

外壁に黒い筋の汚れが…雨だれの原因は?

雨だれは空気中のさまざまな汚れが雨の流れと共に壁面に付着したもので、雨だれの黒ずんだ汚れには

  • 空気中の排ガス(カーボン汚れ)
  • 雨に含まれる炭酸カルシウム
  • 土埃

などの汚染物質が含まれており、雨だれの汚れは通常の水洗いでは落ちにくいものです。

このような雨だれは雨の雫の通り道になっている部分に現れ、

  • バルコニーの手すりの下部
  • 窓サッシの下側の角部分

などに目立つようになります。

外壁の雨だれを自分で掃除する方法

雨だれを発見したなら放置せず、早めに対応するのが得策です。雨だれの黒ずんだ汚れは見るからに落ちにくそうですが、長年放置して沈着したような雨だれでなければ、自分できれいにする事もできますのでまずはトライしてみましょう。

外壁を掃除する子どもたちのイメージ

まずは家にあるもので雨だれを落としてみましょう!

雨だれには実は家庭用の中性洗剤(食器洗剤や浴室洗剤など)が効果を発揮します。

  • 1. まずは水で外壁に付着した雨だれ以外の汚れをきれいに洗い流す。
  • 2. 続いて柔らかめのスポンジに中性洗剤を十分に染み込ませ、雨だれを優しくこするように洗浄する。
  • 3. 雨だれがきれいになったら、最後は洗剤が壁面に残らないよう水で丁寧に洗いす。

という手順で雨だれを洗浄してみましょう。

軽度の雨だれであればこの方法でかなりきれいに落とすことが可能です。

しつこい雨だれには「外壁用」のクリーナーを使ってみましょう!

中性洗剤で思ったように雨だれが落ちないなら、市販されている外壁用洗剤を使ってみましょう。

外壁用洗剤にもいくつか種類がありますので、雨だれ洗浄では「カビ・コケ」の洗浄のみに特化したものではなく、外壁の「黒ずみ」「排ガス」の除去に効果があると表記されているものを選ぶとよいでしょう。

使用方法は洗剤ごとに異なりますので、説明書をよく読んで洗浄しましょう。

雨だれはデリケートな外壁を傷つけないように注意して洗浄しましょう

強そうに見える外壁の塗装面も実は摩擦に弱く、目に見えないような傷が入ってしまうと耐久力が下がり、そこからカビやコケが繁殖してしまう恐れもあります。

雨だれを洗浄する際は

  • 硬いブラシではなく柔らかいスポンジを使う
  • クレンザー(研磨剤)の入った洗剤を使わない
  • 柔らかいスポンジでも強くこすらない

など、壁面を傷つけないよう心がけましょう。

外壁掃除、雨だれ予防に必要な道具を紹介

雨だれの洗浄には、下記のような道具があれば役立ちます。

脚立

雨だれは高いところにも生じますので、高所用に脚立を用意しておくと良いでしょう。

しかし、脚立は間違った使用をすると大変危険ですので「最大使用高さ(「この段より上に登らない」などの表示)」を守る、一人で作業しないなど、安全に十分配慮して使用するようにしましょう。

高圧洗浄機

もし高圧洗浄機をすでにお持ちであれば雨だれの洗浄にも使用できますが、雨だれは高圧洗浄機で必ず落ちるとは限らないため、雨だれ洗浄のためだけに高圧洗浄機を購入するのは控えた方がよいかもしれません。

また、水しか使用しない高圧洗浄機でも高い水圧を当て続ければ外壁が傷ついてしまう可能性もありますので、高圧洗浄機を使用する場合でも、至近距離で使用しない、同じ場所に当て続けないなどの注意が必要です。

参考:高圧洗浄で外壁を美しく!家庭でもできる高圧洗浄の方法

水切り

雨だれが生じやすいサッシやポストの下部など同じ場所を雨水が伝わないようにする「水切り」という道具もあります。
洗浄後、または雨だれが発生する前に水切りを設置しておけば雨だれを予防することが可能です。

外壁に雨だれやその他の汚れが付きにくくするには

可能な範囲で点検・清掃する

外壁に見られる雨だれの汚れは、

  • 1. エクステリアの一部分に汚れが溜まる
  • 2. 溜まった汚れが雨で下部へ流れる
  • 3. 上記1、2が長年繰り返される

という順序で色濃く沈着してしまいます。
そのため、特に上記1番の「溜まった汚れ」を定期的に掃除しておくようにするなら雨だれ汚れの発生も抑えることが可能です。

特に汚れが溜まりやすいのはポストや窓といった外壁周りで特に出っ張っている場所です。
定期的に外壁周りを点検・清掃し、ポストや窓枠、出窓であれば特に天板部分など、目につきにくく汚れやすい部分を重点的に清掃しておくようにすると良いでしょう。

外壁塗装リフォームの際には汚れにくい塗料を選ぶ

外壁用の塗料の中には汚れにくさに特化した塗料も存在します。
汚れにくい塗料には「セルフクリーニング機能」と呼ばれる特徴が付加された、下記のような種類のものがあります。

&npsp;低汚染塗料

塗膜表面の「親水性」を高めることにより、そのほとんどが油性である外壁に付着する汚れが付着しにくく、雨で流されやすいという性質があります。
汚れが雨で流されるといっても、壁面に付着することはほとんどないため、雨だれにもなりにくい塗料です。

&npsp;光触媒塗料

「低汚染塗料」の汚れにくさに加えて、主成分「酸化チタン」の作用で付着した汚れが分解され、より流れ落ちやすくなっている塗料です。
やや高額な部類の塗料ですが、塗装したての美しさが長く保たれることとメンテナンスの簡単さから人気の高まっている塗料です。

雨だれの洗浄を業者に頼むことも可能?

外壁塗装リフォームでは、塗装を行う前に必ず高圧洗浄を行いますが、この高圧洗浄が済んだ時点で、外壁は見違えるほどキレイになったように見えます。
では、外壁塗装業者にこの「高圧洗浄作業」だけを行ってもらうことは可能なのでしょうか?

業者による高圧洗浄で外壁を掃除するイメージ

塗装業者に洗浄を依頼する場合

実は外壁塗装業者が塗装前に行う洗浄作業では、汚れだけでなく劣化した古い塗膜も一緒に洗い流してしまうのです。また、デリケートな塗膜を傷つけないように注意して洗浄を行なっているわけでもありません。つまり、塗装前の洗浄が終わった時点では、外壁はキレイに見えるものの塗装としての保護力は低下した状態になっています。

そのため、外壁塗装業者なら洗浄も行なってくれるに違いない、とは言い切れないのです。

もちろん、洗浄のみのご依頼を受けてくれる業者もありますが、雨だれのような細かな部分の洗浄だけを請け負ってくれるかどうかは微妙なところです。
また、全面的な洗浄を行う場合は、ほとんどの住宅で近隣への洗浄水の飛散防止のため、周囲に仮設足場を設置せざるを得なくなるでしょう。
そうすると、洗浄だけだと2~3万円程度で請け負ってくれるとしても足場代およそ15~20万円が加算されるので、トータルの費用で見ればかなり高くついてしまうのです。

もし、平屋でご近所さんと隣接していない家屋にお住まいなのであれば、比較的安く外壁の洗浄のみを行なってもらうことも可能かもしれません。

清掃業者に依頼する場合

また、外壁も取り扱っている清掃業者もありますが、この場合も、外壁や家屋に対する知見と、確かな実績を持つ業者を選ぶようにしましょう。
外壁周りの部分的な清掃も行なってくれる業者であれば、雨だれだけをピンポイントで洗浄してもらうことも可能かもしれません。

いずれにせよ、雨だれ程度の汚れは普段から気を付けておけば防げるものですので、業者の手を借りなくてよいように普段から点検・清掃しておくのがベストでしょう。

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