2022.06.10

外壁塗装の塗り替え時期をセルフチェック!耐用年数を伸ばす方法は?

家全体を劣化させるカビ・腐食・シロアリの原因になるのは水分や湿気ですが、家は外壁によって水分・湿気などから守られているんですね。外壁のメンテナンスがとても大切だと言われるのはそのためです。
工事費用が100万を超えることもある外壁塗装リフォームは、しっかりタイミングを見計らって無駄なく行いたいところです。

今回は、外壁塗装リフォームのベストタイミングを計るためのチェックポイントと、外壁の耐用年数をより長持ちさせるポイントについてご紹介します。

外壁の塗り替え時期をセルフチェック8つのポイント

外壁のことに詳しくなくても、普段から自分でできることもあります。決して難しいことではないので、ここで改めておさらいしておきましょう。

早い段階で外壁の異常を発見する

外壁を長持ちさせるには、普段から外壁を意識して観察しておくことが大切です。
普段の状態がどうなっているかを自分で把握していれば、異常があったときの早期発見につながります。

ポイント1:チョーキング

チョーキングは外壁塗装における代表的な劣化症状の一つで、塗膜の表面に指で触れると付着するような白い粉が生じるようになる現象のことです。

チョーキングで生じる粉は、元々は塗料に含まれていた顔料(発色の主成分)が紫外線によって分解され、表面に浮き出てくることにより生じます。

耐久性の高い塗膜は主成分である樹脂や顔料などが硬く結束している状態になっていますが、チョーキングの発生はこれら成分同士の結束が弱まり、塗膜の耐久性が落ちてきていることを示しています。

外壁のチョーキングをチェック

ポイント2:色あせ・光沢の低下

初期の段階ではほとんど気付くことはありませんが、外壁塗装の色や光沢は塗装直後からゆっくりとあせていきます。

色や光沢があせる速度はグレードが低いものほど早く、アクリル塗料やポリウレタン塗料は比較的短期間で光沢を失い色あせ、シリコン塗料やフッ素塗料などの光沢は長期間保持されるため、色あせの度合いは塗料の劣化を測る一つの目安になるでしょう。

ポイント3:クラック(ひび割れ)・塗装のはがれ

塗膜の表面にクラックを発見したなら、それがどのような種類のクラックなのかをよく観察するようにしましょう。
外壁のクラックには、

  •  ヘアークラック(幅0.2mm以下のクラック)
  •  構造クラック(幅0.3mm以上、深さ4mm以上のクラック)

という2種類があり、ヘアークラックであれば塗膜のみにひびが入っている軽度なクラックのため問題はありませんが、構造クラックであれば外壁の下地材(サイディングボードなど)が破損している可能性があります。

構造クラックであれば外壁の内部に湿気や雨水が侵入し、カビや腐食の原因になる恐れもあるため、早めに補修したほうがよいでしょう。

クラックは振動や家屋の歪みなどによって発生することが多く、大型車の交通量の多い場所に建つ家屋や地震が起きたあとの家屋などはよくチェックしておくのがベストです。

劣化した外壁

ポイント4:カビ・藻・コケなどの発生

日が当たりにくい外壁、湿気・水気によくさらされる外壁にはカビ・藻・コケが発生しやすくなります。

塗装後間もなく、耐久力が高い状態の塗膜であればカビ・藻・コケなどが発生しても根付くことはほとんどなく、簡単に拭き取ることができます。
しかし、塗装後何年か経過しており、カビ・藻・コケが簡単には落ちないようであればそれらは塗膜に根付いているかもしれません。

カビ・藻・コケが根付くのは塗膜の劣化が進んでいるサインですので、外壁の広範囲にそれらが発生しているようであれば、早めに専門家にみてもらうほうがよいでしょう。

苔の生えた外壁

ポイント5:コーキングのクラック・はがれ

外壁材の目地や、サッシ・配管まわりの隙間に充填されている弾力のある素材を「コーキング(またはシーリング)」と言います。コーキングは隙間を埋め、壁の内側に雨水や湿気が入らないようにするための大切な部分なので、劣化してしまう前に打ち替え(交換)リフォームを行うのがベストです。
コーキングは

  • 1 細かなクラックが表れる
  • 2 コーキングが縮んで隙間ができる
  • 3 目地から剥がれ落ちる

といった具合に段階的に劣化していきます。
コーキングにクラックや隙間が見られるようになると交換時期が来ているサインです。基本的にコーキングの耐用年数は10年ほどです。

ポイント6:鉄部のサビ

鉄部(板金部分)のサビも見逃さないようにしましょう。サビは放置するとどんどん広がって、最終的には穴が空いてしまうこともありますが、サビを早めに発見し、落としてキレイに塗装メンテナンスすれば金属部分も長持ちします。

ガルバリウムなど金属系サイディングなら壁面全体、窯業系サイディングでも庇(ひさし)や水切りなどの金属部分にサビが生じてないかチェックします。サビが見られなくても、金属部分の塗装が剥がれているなら早めに塗装メンテナンスしたほうが良いでしょう。

海岸が近いエリアでは海からの塩分の影響で、他のエリアよりもサビが生じやすくなっています。普段から小まめにチェックしておくのがベストです。塩害の目安として、下記の基準を覚えておくと役に立つかもしれません。

  •  海岸から0.5km以内は「重塩害地域」…サビに特に要注意
  •  海岸から2km以内は「塩害地域」…サビに十分注意
  •  海岸から5km以内は…特に指定はないが海風が強い場合は注意

※地域によって海岸からの距離などが異なる場合があります
ちなみに、高耐久のガルバリウム鋼板なども「重塩害地域」では製品保証の対象外となってしまうこともあります。

★ ガルバリウム鋼板のサイディングに塗装はいらない?

外壁がガルバリウムなら塗装メンテナンスは必要ない、という意見を聞くことがあります。
確かにガルバリウムはメッキ加工されていてサビに強く、「(サビによる)穴あき25年保証」という商品もあります。
ただし、きちんと定期的に外壁塗装メンテナンスしておけば、25年よりもっと長持ちしますので、ガルバリウムの外壁でもやはり塗装メンテナンスすることをおすすめします。

ポイント7:ベランダ・バルコニーの笠木のサビ・浮き

ベランダ・バルコニーの手すり部分には大抵の場合、「笠木」という雨よけの板金が被せてあるんですが、この部分も劣化してしまうと雨漏りにつながってしまいます。

笠木は金属なのでサビがあったり、固定するためのビスや釘が緩んでいたりすると、雨水が浸入してしまうんですね。塗装とは少し違いますが、このような板金部分も外壁塗装に合わせてメンテナンスできますので、ベランダ・バルコニーがあるお家では一度チェックみるのがおすすめです。

ポイント8:ベランダ・バルコニーの防水層の劣化

ベランダ・バルコニーの床面は、たいてい防水層+トップコート(塗装)という構造になっています。

トップコートは防水層を保護する大切な役割があり、トップコートが劣化してしまえば、つづいて防水層の劣化が始まります。防水層を作り直すリフォームは費用も高額になりますので、トップコートが劣化しているようなら、トップコートの塗り替え行うことをおすすめします。防水層のトップコートは7〜10年程度で定期的に塗り替えるのがベストです。

外壁の耐用年数を伸ばすためのメンテナンス方法

草木と外壁をできるだけ離す

草木や影になりやすい部分は湿気が多く、カビ・コケ・藻が発生する原因となります。
こまめに草刈りをしたり、ガーデニングとして樹木を植えたりする場合はできるだけ外壁から離すようにしましょう。

外壁の中にはカビ・コケ・藻を防止するものもありますが、経年劣化などでひびが入ってしまうとそこから侵食して根を張ってしまう可能性もあります。
徐々に増えていくので気づきにくいですが、カビ・コケ・藻は外壁にとって天敵のような存在です。

壁と樹木はなるべく距離をとる

塗膜がはがれる前・ひび割れ前に塗装する

塗膜がはがれてしまったり、ひびが入った状態で放置したりしてしまうと、そこから雨などが侵入しカビや藻・コケが発生する原因となってしまいます。
カビ・藻・コケが塗膜の内側で繁殖してしまうと、塗膜の状態がさらに悪化してしまい悪循環です。

また、ひび割れが発生することが少ないサイディングボードも、塗膜が浮いてしまったり剥がれてしまったりする可能性はあります。
サイディングボードの場合はボード自体が雨水を吸い込んで腐食してしまい、外壁の劣化が早まってしまうことも考えられます。
塗装はできるだけ早い時期に行うようにしましょう。

立地条件にあわせた塗装をする

建物は常に外気にさらされており、太陽光や雨風を受けて徐々に劣化していきます。
直射日光が常にあたっている屋根や、日当たりのよい外壁はその影響を受けやすいです。

また、建物の南側は太陽がよく当たるため、北側よりも早く劣化するともいわれています。
お家によっては南側の外壁にだけ耐久性の高いフッ素塗料などを使っているところも多く、すでに外壁塗装をしたことがある方は業者さんに提案された方もいると思います。
こうすることで他の箇所と劣化のスピードを合わせ、メンテナンスのタイミングを整えることができます。

逆に太陽光があまり当たらない場所は湿気がたまりやすく、コケ・藻・コケが発生しやすい環境になってしまっていることが多いです。
カビ・藻・コケ防止の塗料を使ったり、こまめにチェックして繁殖がひどいようなら細目に掃除するようにしましょう。

自分でできるメンテナンスか、業者に頼むべきかの判断

外壁に何らかの問題が見つかったとしても、それを自分で対処するか、専門業者を呼んでなんとかしてもらうかは判断が難しいところでしょう。

もちろん軽微な汚れやヘアークラックなど、自分で対処できるか、または放置していても大きなトラブルにはつながらないものもあります。
しかし、自分で外壁を洗浄しようとしたところ壁全体を傷つけてしまうなど、自分でメンテナンスを試みた結果問題が大きくなってしまうという可能性もありますし、高所作業が必要なケースでは自分で行うのが危険なメンテナンスもあります。

業者を呼ぶとお金がかかるから自分で何とかしたい、と考えるのも自然なことですが、問題が大きそうだったり危険が伴ったりするような場合は、まずは無料点検を行っている外壁塗装業者を探して利用してみるのもよいかもしれません。

塗料選びで外壁を長持ちさせる

耐候性の高い塗料を選ぶ

外壁を長持ちさせるためには、日ごろからのケアはもちろん大切です。
一方で耐久性・耐候性の高い塗料を選ぶことも非常に効果的です。

耐候性とは、野外からのあらゆる影響を受けたときに、変形・変色・劣化を起こしにくい基準のことです。
塗料選びのときには意識して耐候性の高いものを選ぶようにしましょう。

「無機ハイブリット塗料」がおすすめ

近年人気を集めているのが「無機ハイブリット塗料」と呼ばれるものです。
「無機ハイブリット塗料」は無機塗料と有機塗料をミックスして作られたもので、耐久性・耐候性ともに極めて高い塗料です。

もともと耐候性が非常に高く、汚れもつきにくいというメリットを持つ無機塗料ですが、ひび割れしやすいという弱点がありました。
そこで柔らかい有機塗料をミックスすることで、弱点を補いつつ耐久性も高めたのが「無機ハイブリット塗料」です。

メンテナンス性も高く、外壁を長持ちさせるには最もおすすめしたい塗料です。

塗料

まとめ

今回は外壁を長持ちさせる方法についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
外壁の塗り替えは手軽にできるほど安価ではありませんし、できるだけメンテナンス期間は長いほうがありがたいですよね。

しかし、ただただ放置してしまうと結果的に外壁の寿命を縮めてしまうことにもなりかねないので、正しい知識をつけることが何より大切です。
ぜひ今回ご紹介した方法を参考にして、長く付き合える外壁を目指しましょう。

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