2023.01.30

サイディングボードってどんな外壁材? 特徴や種類を徹底解剖!

リフォームや外壁塗装のことなどを調べていると、ちょくちょく目にする「サイディングボード」という言葉。皆さんはこのサイディング・ボートとは一体どんなものなのか知っていますか?

サイディングボードとは、近年の住宅の外壁材として採用されることが多くなった素材です。今回は、そんなサイディング・ボートを徹底的にご紹介していきたいと思います。

サイディングボードとは?

サイディングボードとは、建物の外壁に張りつける仕上げ用の板材のことを指します。一定サイズにカットして外壁に貼りつけることで、雨漏りや剥がれなどの劣化を防止することができます。

一昔前の主流であったモルタル壁(塗り壁)とは違い、施工にかかる時間が短く、工事費用が安く済みます。モルタル壁とは違ってヒビが入るリスクも少なく、外壁としての寿命も長いといわれています。

サイディングボードの種類

一口にサイディングボードといっても、その種類は大きく4種類にわけることができます。どんな特徴があるのか、詳しく掘り下げていきましょう。

窯業系サイディングボード

寿命 ★☆☆
コストパフォーマンス ★★★


窯業(ようぎょう)系サイディングボードは、繊維質の原料とセメントを混ぜ合わせてつくられた外壁材で、「窯」という文字が表しているように原料を高温で熱処理し焼き固めるという方法で製造されています。

価格も安く耐久性に優れているため、最も普及しているサイディングボードと言われています。レンガ風や石積み調のものまでバリエーションが豊富で、デザイン性の豊かさが人気の理由でもあります。

繊維質が含まれているため地震や交通量の多い場所の振動といったダメージにも強く、さらに防火や防音性にも優れています。最近は汚れがつきにくくなるようにコーティングされた窯業系サイディングボードも登場し、より選択肢が広がりました。

窯業系サイディングボードのデメリットや注意点

窯業系サイディングボードはそもそもの耐候性(紫外線や風雨に対する強さ)はそんなに高くないという弱点もあります。

この弱点を上手にカバーするために外壁塗装を施すわけですが、塗装が劣化しきって紫外線や風雨によるダメージがサイディングボードにまで進行してしまうと、雨や湿気が壁の内部に侵入し、雨漏り・柱や土台の腐食・室内のカビといった問題が発生するようになりかねません。

ここまでダメージが進むと、サイディングボード自体の張り替えや重ね張り(既存のサイディングを撤去せず上から新しいサイディングを貼り付ける工法)などの、塗装よりも高額なリフォーム工事が必要になることもあります。

そのような事態を避けるためにも、十分に前もって外壁塗装リフォームを計画しておくようにしましょう。

塗装が不要なようにも見えるレンガ調・石造調といったデザイン性が高い窯業系サイディングボードも、定期的にクリア塗装(透明な塗膜でサイディングボードを保護する)を行いメンテナンスする必要があります。

ただし、クリア塗装自体に高い耐候性は期待できません。

そのため私たちくりはら塗装では、通常であればクリア塗装を行うだで十分保護できるデザイン性の高い窯業系サイディングボードであっても、劣化の進み具合によっては耐候性の高い有色の塗料での塗装をお勧めさせていただく場合があります。

金属系サイディングボード

寿命 ★★★
コストパフォーマンス ★★☆


金属系サイディングボードはその名の通り、表面が金属で作られた外壁材で、金属特有のクールな質感が若い人を中心に人気を博しており、金属系サイディングのシェアはどんどん伸びている状況です。

金属にはアルミニウムやステンレス、ガルバリウム(通称「ガルバ」)と言った鋼板が使用されています。経年劣化しにくく、長い期間メンテナンスをしなくてもいいというのは利用者にとっても嬉しいポイント。

金属は水を吸って浸水することもなく、寒暖差の激しい場所や、気候変化の激しい場所でも安心して使用することができます。最近ではデザイン性も豊かになり、レンガ風やタイル調の金属系サイディングボードも登場しました。

また、既存のサイディングボードを撤去せず金属系サイディングボードを重ね張りする「カバー工法」を取り扱っている業者も多く存在します。

金属系サイディングボードの多くは軽量なので、カバー工法で重ね張りしても家屋自体への負担が少ないのです。

金属系サイディングボードのデメリットや注意点

金属系サイディングボードはやはり、サビが発生しないように十分気を配る必要があります。

ちょっとした傷や擦れで塗装が剥がれていたりするだけで、サビはすぐに発生します。また、海が近ければ潮風によるサビが発生しやすいこと、金属には種類の違う金属同士が接触しているとサビが発生しやすいという特徴なども覚えておきましょう。

傷がつけばすぐ簡単な防錆処理をしておく、金属製の物をサイディングに立てかけたりしないなどの、自分でできるちょっとしたメンテナンスで、金属製サイディングボードはずっと長持ちするようになります。

木質系サイディングボード

木質系サイディング

寿命 ★★☆
コストパフォーマンス ★☆☆


木質系サイディングボードは、天然の木を加工してつくられた外壁材です。

木の表面が炭化処理されているサイディングボードであれば、木製であっても耐熱性に優れ、環境にやさしい建材といえるでしょう。経年劣化で色が変化していくので、長く住むほど独特の味わいがでてきます。

近年では、日本の気候・風土に合わせて防腐・防水処理が施された耐久性の高い木質系サイディングボードが手に入りやすくなっています。

木質系サイディングボードのデメリットや注意点

デメリットとしては天然素材を使っているため他のサイディングボードに比べて汚れがつきやすく、耐火性などもやや劣る点です。また、他のサイディングボードに比べて頻繁にメンテナンスをする必要があり、維持費用も高額になる傾向があります。

また「耐火地域」や「準耐火地域」など、住宅や建物の防火構造に法的な指定がされた地域(都市部ではほとんどの土地がこれにあたる)では、通常の木質系サイディングボードを外壁に利用することができません。しかし、現在では防火構造の指定地域でも使用可能なように、不燃処理を施した木質系サイディングボードも数多く販売されており、一昔前に比べるとかなり自由に木質系サイディングを選択できるようになりました。

樹脂系サイディングボード

樹脂系サイディング

寿命 ★★☆
コストパフォーマンス ★★★


樹脂系サイディングボードは、合成樹脂の一種であるポリ塩化ビニル樹脂で作られた外壁材です。

他のサイディングボードに比べ耐久性・耐冷害性・耐候性などに優れているため、気候変化の激しい地域を中心に普及しつつある外壁材です。また、樹脂系サイディングボードは軽量で運搬も容易なため、工事期間が短く、万が一破損してしまった場合でも部分的に張り替えることが可能です。はっ水性に優れており、雨漏りなどの心配もほとんどありません。

樹脂系サイディングボードのデメリットや注意点

性能としては申し分なく、デメリットがほとんど無い樹脂系サイディングボードですが、現在のところシェアが低く、取り扱っている業者・施工できる業者は少ないのが現状です。

そのため、適切な施工や維持管理のできる優良な業者を見つけるのがやや難しいかもしれません。

サイディングボードとモルタル壁の違い

外壁の仕上げは主に、

  • ボード状の外壁材を張り付けて施工する「乾式」
  • 乾燥すると固まるペースト状の素材を塗りつけて施工する「湿式」

の2つに分類できます。
窯業系サイディングが乾式外壁材の代表なら、湿式外壁材の代表はモルタルになるでしょう。

モルタル外壁はサイディングボードの外壁に比べて下記のような特徴があります。

1.デザインの自由度が高い

モルタル外壁は既製品のサイディングボードとは違い、施工方法や塗装方法で、かなりデザイン性の高い外壁に仕上げることもできます。そのため、近年のデザイナー住宅やリノベーション物件などではモルタル外壁が採用されることも多いようです。

他にはないデザインを好む人には向いていますが、モルタル壁のデザインや品質は、設計者や施工業者の技術に大きく左右されます。

2.コストが高くなることがある

施工価格を比較するとき、通常のモルタル外壁であれば窯業系サイディングに比べてとりわけ高額というわけではありません。
しかし、モルタル外壁はモルタル部分が厚いほど、またデザイン性が高いほど高額になる傾向にあります。

3.メンテナンスが難しい

モルタル壁は建物の歪みや、地震・交通による振動などの影響に弱く、ひび割れが生じやすいというデメリットがあります。
もちろんモルタル壁のひび割れも補修することはできますが、元のデザインを完璧に修復するのは難しく、ひび割れの補修跡が目立ってしまうこともあります。

サイディングボード選びのポイント

今後サイディングボードを採用しようとしている人に向けて、サイディングボード選びのポイントをご紹介させていただきます。

予算や耐用年数をしっかり把握しておく

サイディングボードは、使われている材質ごとに予算や耐用年数も大きくことなります。最近では材質の種類が増えたことで特に幅が広がったので、予算だけでなく耐用年数もしっかり把握しておきましょう。

デザインなど、こだわりたい部分を明確にしておく

サイディングボードは非常に種類が豊富です。
業者さんに相談する前に、ある程度ご自身がこだわりたい部分を明確にしておくことで、サイディングボード選びもスムーズになるでしょう。

保障・アフターケアなども忘れずにチェック

施工完了後にどんなアフターケアがあるのかも、重要なポイントです。何か不具合が発生した時にどのような対応をしてもらえるのか、忘れずにチェックしておきましょう。

サイディングボードのメンテナンス時期は?

窯業系サイディングの寿命(耐用年数)は30〜40年ほどとされていますが、メンテナンスを怠るとそれよりもだいぶ早く劣化が進んでしまうこともあります。
下記のようなタイミングでサイディングのコンディションをチェックし、必要なメンテナンスを行うにしましょう。

施工から5~10年:シーリングの補修

外壁材自体は劣化していなくても、サイディングの隙間を埋めるシーリングが劣化すれば雨漏りや内部結露などの原因になり、サイディングを含めた外壁全体の劣化を早めます。

サイディングの施工から5年後くらいを目安にシーリング材がひび割れたり、縮んだりしていないかチェックしてみましょう。
軽く劣化しているようならシーリングを増し打ちする、劣化が進んでいれば既存のシーリングを撤去して打ち替えるなどの方法でメンテナンスします。

施工から10年:塗装メンテナンス

外壁塗装で人気のあるシリコン塗料であれば10年くらいで塗り替えが必要になります。

外壁塗装の劣化のスピードは塗料のグレードだけでなく日当たりや環境などにも左右されます。10年くらいを目安に、外壁に色褪せやチョーキングなどの劣化のサインがみられないかチェックしてみましょう。劣化が進んでいるようなら早めに塗装しなおすのがおすすめです。

施工から20年:外壁材の張り替え・カバー工法

メンテナンスを怠っていたり、地震や水害などの影響を受けたりした外壁は施工から20年目くらいを目安に外壁材の劣化をチェックしてみましょう。特にひび割れや剥落がある場合は要注意です。

外壁材全体にそのようなダメージが見られるなら、外壁材の張り替えか、上から新しい外壁材を被せる「カバー工法」によるメンテナンスがおすすめです。
このようなメンテナンスリフォームは高額な工事になりますので、少しでもサイディングの寿命を延ばせるよう、できるだけ定期的にチェック&メンテナンスをしておきましょう。

まとめ

今回はサイディングボードについて詳しくまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

サイディングボードには繋ぎ目があり、コ―キングという処理を行う事でその繋ぎ目を埋めています。コ―キング材にも7~10年程の寿命があり、お住まいの環境にもよって定期的にコ―キングの打ち替えを行う必要があります。コ―キング処理も作業するための足場をかける必要があり、サイディングボードの塗り替えも一緒に行う方がより経済的でしょう。

どちらも一緒に行う事で、外壁自体の耐久年数をより伸ばすことも可能です。

今後サイディングボードを採用しようと考えている方は、この記事を参考にしながら業者さんと相談し、是非ご自身にあったサイディングボードを選んでみてください。
外壁選びはお家のことを考える上で非常に重要な要素の一つ。お家と長くつきあっていくために、しっかり考えておきたいですね。

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