外壁塗装を検討する際、多くの方が気になるのが「工事にどのくらいの期間がかかるのか」という点です。
一般的な戸建て住宅の外壁塗装工事は、天候が良好な場合で10〜14日程度かかります。
しかし、この期間は建物の大きさや状態、使用する塗料、そして何より天候に大きく左右されます。
特に梅雨時期や台風シーズンでは、雨天により作業が中断されるため、工期が延びることも珍しくありません。
工事中は窓の開閉制限、洗濯物が干せない、塗料の臭いなど、日常生活にさまざまな影響が出ます。
これらを事前に把握しておくことで、ストレスを最小限に抑え、スムーズに工事を進めることができます。
本記事では、外壁塗装の各工程にかかる日数と作業内容、そして工事中の生活への具体的な影響と対策について、実際に外壁塗装を実施する専門家としての観点から詳しく解説します。
初めて外壁塗装を行う方でも、工事期間の全体像を理解し、安心して準備を進められるようになります。
外壁塗装の標準的な工事期間と工程別スケジュール
一般的な戸建て住宅の工事期間は10〜14日
30〜40坪程度の標準的な2階建て住宅の場合、外壁塗装工事は10〜14日が一般的な目安となります。
ただし、これはあくまで天候が良好な場合の日数です。
工事期間に影響を与える主な要因は以下の通りです。
建物の規模と形状
外壁の状態
天候条件
外壁と屋根を同時施工する場合
外壁のみの塗装であれば10〜14日ですが、屋根塗装も同時に行う場合は14〜21日程度が目安となります。
足場を一度で済ませられるため、別々に行うよりもコストと時間の節約になります。
工程別の詳細スケジュール
外壁塗装工事は、安全性と品質を確保するため、いくつもの工程を経て進められます。
以下、各工程の所要日数と作業内容を詳しく解説します。
【1日目】足場設置（所要時間：1日）
外壁塗装工事は、安全に作業を行うために足場の設置から始まります。
作業内容
生活への影響
【2日目】高圧洗浄（所要時間：1日）
高圧洗浄は、外壁に付着した汚れ、カビ、コケ、チョーキング（白い粉）などを除去する重要な工程です。
作業内容
生活への影響
【3日目〜4日目】乾燥期間（所要時間：1〜2日）
高圧洗浄後、外壁をしっかりと乾燥させる期間が必要です。
作業内容
生活への影響
【5日目〜6日目】下地処理（所要時間：1〜2日）
下地処理は、塗装の仕上がりと耐久性を左右する非常に重要な工程です。
作業内容
生活への影響
【7日目】養生（所要時間：半日〜1日）
塗料が付着してはいけない部分を、ビニールシートやマスキングテープで保護します。
作業内容
生活への影響
【8日目】下塗り（所要時間：1日）
下塗りは、外壁材と上塗り塗料の密着性を高める役割を果たします。
作業内容
生活への影響
【9日目】中塗り（所要時間：1日）
中塗りは、塗膜の厚みを確保し、仕上がりを美しくするための工程です。
作業内容
生活への影響
【10日目】上塗り（所要時間：1日）
上塗りは、外壁塗装の最終仕上げとなる工程です。
作業内容
生活への影響
【11日目〜12日目】付帯部塗装（所要時間：1〜2日）
外壁本体以外の細かな部分を塗装します。
作業内容
生活への影響
【13日目】点検・手直し（所要時間：半日）
施主様と一緒に仕上がりを確認します。
作業内容
生活への影響
【14日目】足場解体・清掃（所要時間：1日）
工事の最終工程です。
作業内容
生活への影響
工期が延びるケース・短縮されるケース
工期が延びる主な要因
1.雨天・悪天候
塗装工事は雨天時には作業できません。塗料メーカー各社の施工基準では、気温5度以下、湿度85%以上の環境では塗装を避けるよう指示されています。梅雨時期や台風シーズンは工期が1週間以上延びることも珍しくありません。
2.下地の劣化が予想以上に激しい
現地調査では見えなかった内部の腐食やひび割れが発見された場合、追加の補修作業が必要になります。
3.乾燥時間の延長
湿度が高い時期や日照が少ない時期は、塗料の乾燥に通常より時間がかかります。
工期が短縮されるケース
1.建物の状態が良好
築年数が浅く、下地処理がほとんど不要な場合は、1〜2日短縮されることがあります。
2.晴天が続く
春（4月〜6月上旬）や秋（9月下旬〜11月）の安定した気候では、予定通りまたは予定より早く工事が完了することがあります。
3.外壁のみの施工
屋根塗装を含めない場合は、工期が短くなります。
千葉県北西部の気候特性
千葉県北西部（我孫子市、柏市、松戸市など）は、太平洋側気候に属し、比較的温暖です。
しかし、梅雨時期（6月中旬〜7月中旬）や台風シーズン（8月〜10月）は降水量が多くなります。
外壁塗装に最適な時期は、春（4月〜5月）または秋（10月〜11月）と言えます。
工事中の日常生活への具体的な影響と対策
外壁塗装工事中は、普段の生活にいくつかの制限が生じます。ここでは、具体的な影響と対策について詳しく解説します。
窓の開閉制限とエアコン使用
窓が開けられない期間
養生作業が始まってから塗装が完了するまでの約5〜7日間は、窓を開けることができません。この期間は以下の工程が該当します。
エアコンの使用について
基本的にエアコンは使用可能です。ただし、室外機の周辺を養生する際は、一時的に使用を停止する必要があります。
業者は事前に「◯時から◯時まで室外機を養生するため、エアコンを止めてください」と連絡してくれるのが一般的です。
夏場・冬場の対策
- 真夏（7月〜8月）
- 窓が開けられないため、エアコンが必須です。工事時期をずらせるなら、春や秋がおすすめです。
- 真冬（1月〜2月）
- 気温が低いと塗料の乾燥が遅れるため、工期が延びる可能性があります。
換気の工夫
どうしても換気が必要な部屋（キッチン、浴室など）がある場合は、事前に業者に相談しましょう。
養生のタイミングを調整したり、一部の窓だけ開けられるように配慮してくれることがあります。
洗濯物・布団干しへの影響
外干しができない期間
高圧洗浄から塗装完了までの約8〜10日間は、洗濯物や布団を外に干すことができません。
- 高圧洗浄時
- 水しぶきがかかる可能性。
- 塗装期間中
- 塗料の臭いが付着する可能性、塗料の飛散リスク。
代替案
- 1.室内干し・浴室乾燥機の活用
- 最も現実的な対策は室内干しです。浴室乾燥機がある場合は積極的に活用しましょう。部屋干し用の洗剤や除湿機を使うと、室内干し特有の臭いを軽減できます。
- 2.コインランドリーの利用
- 大物（毛布、シーツ、カーテンなど）は、コインランドリーの乾燥機を利用すると便利です。
- 3.工事前の準備
- 工事が始まる前に、大物の洗濯を済ませておくと、工事期間中の洗濯物の量を減らせます。
業者への事前相談
洗濯物をどうしても外に干したい日（例：天気の良い週末）がある場合は、事前に業者に相談してみましょう。工程を調整できる場合もあります。
車の駐車と出入り
駐車場所の確保
足場設置時に駐車場に足場がかかる場合や、塗料の飛散を防ぐため、車は移動するのが望ましいです。
代替駐車場の確保方法
毎日の車の出し入れ
通勤・通学で毎日車を使う場合は、事前に業者に出発時間と帰宅時間を伝えておくと、足場の配置を工夫してくれることがあります。
塗料の臭気への対策
臭いが強い期間
下塗り・中塗り・上塗りの3〜4日間は、塗料の臭いが強くなります。
水性塗料と油性塗料の違い
- 水性塗料
- 臭いは比較的弱く、換気すれば数時間でほとんど気にならなくなります。
- 油性塗料
- シンナー臭が強く、臭いに敏感な方は不快に感じることがあります。
近年は環境配慮と居住者への負担軽減のため、水性塗料が主流になっています。ただし、金属部分や特殊な下地には油性塗料が必要な場合もあります。
臭いに敏感な方への配慮
以下のような方がいる場合は、特に注意が必要です。
対策として、以下の方法があります。
- 1.水性塗料の使用を業者に依頼（見積もり時に相談）
- 2.塗装期間中の外泊（実家やホテルに数日間滞在）
- 3.ペットの一時預かり（動物病院やペットホテル）
体調不良を感じた場合は、遠慮なく業者に相談しましょう。
作業を一時中断したり、換気時間を長く取るなどの配慮をしてくれます。
塗装完了後の換気
上塗りが完了した後も、2〜3日間は換気を心がけましょう。水性塗料でも完全に乾燥し臭いがなくなるまでには数日かかります。
騒音とプライバシー
騒音が大きい工程
- 1.足場設置・解体
- 金属製のパイプを組み立てる音が断続的に発生します。
- 2.高圧洗浄
- 水を高圧で噴射する「シャー」という音が一日中続きます。
作業時間帯
一般的な外壁塗装工事の作業時間は、8時〜17時頃です。早朝や夜間の作業は通常行われません。
ただし、業者によって若干の違いがあるため、契約時に確認しておくと安心です。
プライバシーへの配慮
足場に取り付けられるメッシュシート（飛散防止ネット）により、外からは室内が見えにくくなります。
ただし、作業中は職人が窓のすぐ近くにいることがあります。
プライバシーが気になる場合は、以下の対策があります。
在宅ワーク中の方への配慮
在宅勤務やWeb会議が多い方は、以下の点を事前に業者に伝えておくと良いでしょう。
完全に騒音をゼロにすることは難しいですが、業者も配慮してくれることが多いです。
宅配便・来客への対応
インターホンの使用
養生中は玄関ドア周辺も保護されるため、インターホンが一時的に使えなくなる場合があります。
郵便物・宅配の受け取り
事前に業者と受け取り方法を相談しておきましょう。多くの業者は、配達員が来たら職人が呼びに来てくれるよう配慮してくれます。
大切な荷物が届く予定がある場合は、以下の対策も有効です。
来客予定がある場合
友人や親戚が訪ねてくる予定がある場合は、工事スケジュールを考慮して日程を調整するか、来客を事前に業者に伝えておくとスムーズです。
よくある質問（Q&A）
Q1：雨の日も工事は進みますか？
A：塗装工程（下塗り・中塗り・上塗り）は雨天時には作業できません。小雨でも中止となります。
塗料メーカー各社の技術資料では、降雨時の塗装は塗膜の密着不良や白化現象の原因となるため避けるよう指示されています。
ただし、足場設置や下地処理の一部（室内作業）など、雨の影響が少ない作業は進められる場合があります。梅雨時期や台風シーズンは工期が延びやすいため、可能であれば春（4〜6月）や秋（9〜11月）の施工をおすすめします。
Q2：工事中に外出しても大丈夫ですか？
A：基本的に問題ありません。
外壁塗装工事は外部での作業が中心のため、在宅の必要はなく、普段通り外出していただいて構いません。
ただし、以下のタイミングでは立ち会いをお願いする場合があります。
これらの日程は事前に業者から連絡があります。
Q3：工事中もエアコンは使えますか？
A：基本的に使用可能です。
室外機の周辺を養生する際は一時的に停止をお願いすることがありますが、事前に「◯時から◯時まで」と連絡いたします。通常、室外機の養生作業は30分〜1時間程度で完了します。
真夏や真冬の工事では、空調が使えるよう業者と綿密に打ち合わせしておくことをおすすめします。近年は、室外機を養生せずに作業できる工夫をする業者も増えています。
Q4：子どもやペットがいても大丈夫？
A：基本的に問題ありませんが、塗料の臭いに配慮が必要です。
水性塗料は比較的臭いが弱いものの、それでも気になる場合は以下の対策を検討しましょう。
特に喘息やアレルギーをお持ちのお子様、妊娠中の方がいる場合は、事前に業者に相談し、できるだけ臭いの少ない塗料を選ぶことをおすすめします。
Q5：工事期間中の防犯面は大丈夫？
A：足場があると2階への侵入が容易になるため、防犯対策が重要です。
以下の対策を徹底してください。
信頼できる業者は、夜間に足場へのぼれないよう梯子を取り外したり、工事現場の看板を設置するなどの配慮をしています。心配な点があれば、事前に業者に相談しましょう。
Q6：予定より工期が延びた場合、追加費用は発生しますか？
A：天候不良による工期延長では、追加費用は発生しないのが一般的です。
外壁塗装の見積もりは「工事一式」として提示されることが多く、日数ではなく作業内容に対して料金が設定されています。
ただし、以下のケースでは追加費用が発生する可能性があります。
良心的な業者は、追加作業が必要になった際には、必ず事前に説明と見積もりを提示してから作業を進めます。契約時に「追加費用の発生条件」を明確にしておくと安心です。
まとめ
外壁塗装の工事期間について、重要なポイントをまとめます。
- 工事期間の目安
- 生活への主な影響
- スムーズな工事のために
外壁塗装は工事期間中の生活に制限が出ますが、事前に準備をしておけば大きなストレスなく乗り切ることができます。
信頼できる業者を選び、工程や生活への影響について詳しく説明を受けることが、満足のいく外壁塗装の第一歩です。
くりはら塗装では、お客様の生活スタイルに合わせた工事スケジュールをご提案しています
地域に根付いて60余年の実績を持つくりはら塗装では、我孫子市をはじめとする千葉県北西部の気候や住宅事情を熟知しています。
工事中の生活への影響を最小限に抑えるため、丁寧な事前説明と柔軟なスケジュール調整を心がけています。
外壁塗装に関するご不安やご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。無料での現地調査・お見積もりも承っております。
