2020.12.18

普及率は1番、モルタル外壁の特徴を知って外壁を長持ちさせる

今から30~40年ほど前にはモルタル壁がかなり普及していた時期がありましたが、現在ではサイディングボードが普及率を伸ばし続けていて、モルタル壁が新築に採用されることはかなり少なくなっているようです。
とはいえ、モルタル壁の建物はまだまだ多く現存しています。

今回は「モルタル外壁」について少しご説明したいと思います。

モルタルとは?コンクリートやセメントとの違い

モルタルとは、「セメントと水と砂を混ぜたもの」をいいます。
モルタル・セメント・コンクリートは違いがわかりにくいかもしれませんが、簡単に説明すると

  •  セメント=粉末
  •  モルタル=セメント+水+砂
  •  コンクリート=セメント+水+砂+砂利

ということになります。

ちなみにセメントとは、広い意味では「水(液体)を混ぜ合わせるとそのうち固くなるもの全般」を指し、建築の分野では主に消石灰などを主原料とした「ポルトランドセメント」が使用されます。
セメントの歴史は意外と古く、現在のセメントの原型と言えるものが古代ローマではすでに使用されていたようです。

外壁材として、サイディングとモルタルを比べると

モルタル壁の施工は左官工事になり、柔らかくて重いモルタルを壁一面に平滑に塗り上げるこの作業には非常に高い技術が求められますが、左官職人の数は年々減少しているようです。
相対的に、腕のいい職人にモルタル壁の工事を依頼するのは徐々に難しくなっているかもしれません。

一方でサイディングボードによる施工は、もちろんある程度の技術が求められるとはいえ左官工事よりは簡単に施工でき、誰が行っても基本的に同じ仕上がりになるのが普通です。

 デザインの自由度で勝るモルタル壁

しかし、品質もデザインも均一なサイディングボードに比べて、モルタル壁には既製品には出せないオリジナリティーを持たせることが可能です。
モルタル壁はスタッコ仕上げ・左官仕上げなど左官職人の腕とセンスによってさまざまなデザインへと昇華させることも可能で、デザイン重視の注文住宅などでは、今もモルタル壁が採用されることが多いようです。

つまり、モルタル壁はシェアが低い=人気・需要がない、というわけでは決してありません。

モルタル外壁の寿命とメンテナンス

ネット上では「モルタル外壁の寿命は30年」と定型文のような文言を時おり目にしますが、これを鵜呑みにするのは賢明ではないかもしれません。
どんな素材の外壁にも言えることですが、メンテナンスの頻度や立地条件、最初の施工品質などによって、その外壁が何年持つかは大きく異なるからです。

例えば、なんの問題も見られない築25年のモルタル壁が、あと5年でダメになる、というわけではないのです。
築40年を超えた建物でも、モルタル外壁はまだまだ現役という物件はたくさんありますので、「30年」という耐用年数はあくまで目安と考えておきましょう。

 クラックに気をつければ、モルタル壁は長持ちする

モルタルは、クラック(ひび割れ)が生じやすい素材で、クラックには十分に注意する必要があります。
なぜなら、モルタル壁の下地には「ラス網」という金属製の網が使用されますが、クラックが生じてモルタル壁の内側に雨水が染み込むと、このラス下地が錆びて膨張し、それが壁面の剥落や膨張など、より大きなダメージを招いてしまうのです。

このような劣化を避けるために、

  •  細かなクラックをカバーできる弾性塗料(追従性の高い)塗料で塗装する
  •  塗膜がカバーしきれないような大きく深いクラックは、コーキング材などで早めに埋める

などのメンテナンスをきちんと行っておけば、モルタル壁を長持ちさせることができるでしょう。

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