外壁塗装の現場で使われる塗料や工法などは時代によって様変わりしています。
例えば、かつて外壁塗装工事ではスプレーガンによる「吹き付け工法」がよく使われていましたが、スプレーガンでの塗装にはデメリットも多いため、現在では戸建て住宅の外壁塗装リフォームは「ローラー工法」による塗装が一般的になっています。
ローラーは比較的安価で入手できる道具ですが、広範囲を均一かつスピーディーに塗装するのにとても適しています。
「ローラー」を知れば、DIYでの塗装のレベルも上がる!
ちょっとした塗装であればDIYにトライしてみようと思う人も多いと思いますが、塗装の「道具選び」はちょっと難しく感じるかもしれません。
外壁塗装工事で使用する道具の中でもローラーは安価で、ホームセンターなどでも簡単に手に入りますが、いざ買いに行ってみると種類が多すぎてどんなローラーを選べば良いかわからない、と感じるケースもあるのではないでしょうか。
とはいえ、外壁塗装に使うローラーについて、基本的なことをいくつか知っておくだけで道具選びは簡単に、塗装は楽しくなります。
今回はそんなローラーについてご紹介します。
外壁塗装用のローラーは基本的に「ウールローラー」と「砂骨ローラー」の2種類
ローラー選びを難しく感じる必要はありません。まず、ローラーには「ウールローラー」と「砂骨ローラー」の2種類があるということを覚えておきましょう。
この2種類のローラーは持ち手になる柄(え)があり、その先に回転する円筒状の部品がついているという基本的な形状はどちらにも共通していますが、円筒状の部分の素材によって下記のような違いがあります。
毛足の長さで使い分ける「ウールローラー」
ウールローラーは「羊毛ローラー」ともいわれ、名前の通りウールのようにフワフワとした外観をしていますが、素材は必ずしもウールというわけではありません。
この起毛性のローラーには、
という特徴があり、平滑な塗膜を目指す場合や下地の凹凸のデザインを最大限活かしたい場合に特に活躍します。
ウールローラーは毛足の長さによってさらに下記のように細分されます。
- 短毛ローラー
- 毛足が5mm程度のローラーで、平坦な面を素早く塗るのに適しており、塗料のロスも少なくなります。
- 中毛ローラー
- 毛足が13mm前後のローラーで、オールマイティーに活躍する使いやすいローラーです。
- 長毛ローラー
- 毛足が20mm前後のローラーで、塗装したい面に凹凸がある場合や、タイルを目地ごと同じ塗料で塗装したい場合などに用いられます。
粘度の高い塗料などで使う「砂骨ローラー」
ウールローラーに加えて外壁塗装でよく使用されるのが砂骨ローラーで「マスチックローラー」「多孔質ローラー」などの名称で呼ばれることもあります。
このローラーは起毛性ではなく、円筒状の部分がスポンジ状になっていて、
という特徴があります。
逆に、分厚い塗膜を必要としない塗装において、一度にたっぷり塗料を含む砂骨ローラーを使用すると塗料のロスが多くなってしまうというデメリットもあります。
また、砂骨ローラーの中にはスポンジ部分に加工を施し、ローラーで塗料を壁面に塗りつけると様々な模様が浮かび上がる「パターンローラー(デザインローラーとも呼ばれる)」、またパターンローラーなどでできた凹凸を押さえてならす「ヘッドカットローラー」など、さまざまな種類のものがあります。