2026.01.29

【2026年最新版】サーフェイサーとプライマーの違いを徹底解説|外壁塗装の下塗り塗料完全ガイド

一戸建ての外壁塗装を検討される際、「下塗りなんてどれも同じではないか」と思われるかもしれません。
しかし、下塗り材の選択と施工品質が、外壁塗装の耐久性を大きく左右することをご存じでしょうか。
くりはら塗装は千葉県我孫子市で60年以上にわたり塗装工事に携わってきた経験から、下塗り工程こそが美しく長持ちする塗装の鍵であると確信しています。
本記事では、サーフェイサー、プライマー、シーラーといった下塗り塗料の違いと、さび止めを含む適切な選択方法について、専門的な知見を交えて詳しく解説いたします。

なぜ下塗りが外壁塗装の成否を分けるのか

下塗り材のイメージ

外壁塗装において、仕上がりの美しさや色の鮮やかさは上塗り塗料によって決まります。
しかし、その上塗り塗料の性能を最大限に引き出し、長期間にわたって外壁を保護するために不可欠なのが「下塗り」です。

下塗りが果たす4つの重要な役割

1.密着性の向上

下塗り材は、外壁素材と上塗り塗料をしっかりと接着させる「接着剤」の役割を担います。
下塗りを省略すると、上塗り塗料が外壁に十分密着せず、早期に塗膜の剥がれや浮きが発生してしまいます。

2.吸い込み防止

モルタルやコンクリートなど吸水性の高い外壁材は、そのまま上塗り塗料を塗ると塗料を吸い込んでしまい、色ムラや塗膜の薄い箇所が発生します。
下塗り材で表面をコーティングすることで、均一な仕上がりを実現します。

3.下地の補強と調整

経年劣化により脆くなった下地を強化し、微細なひび割れや凹凸を埋めることで、上塗りの美しい仕上がりをサポートします。

4.特殊機能の付与

金属部分へのさび止め効果や、カビ・藻の発生を抑制する機能など、外壁の状態に応じた特殊な保護機能を付与することができます。
国土技術政策総合研究所や建築研究所の研究データによれば、適切な下塗り処理を行うことで塗装の耐久年数が大幅に向上することが実証されています。
逆に、下塗りを省略したり不適切な下塗り材を使用したりすると、わずか数年で塗膜の劣化が進行するケースも報告されています。

下塗り塗料の種類と特徴|プライマー・シーラー・サーフェイサーの違い

下塗り塗料には主に「プライマー」「シーラー」「サーフェイサー」という3つの種類があります。
それぞれの特性を理解し、外壁の状態に合わせて適切に使い分けることが重要です。

プライマーとは|密着性を重視した下塗りの基本

プライマー(Primer) は、英語の「primary(最初の、基礎の)」に由来する名称で、塗装工程において最初に塗布する下塗り材の総称として使われています。
プライマーの最大の特徴は、下地素材との密着性を重視している点です。
特に金属やプラスチックなど、表面が平滑でツルツルとした素材に対して高い接着力を発揮します。

プライマーの主な種類と用途

接着性プライマー
下地材と上塗り材の密着性向上を主目的とした最もスタンダードなタイプです。
サイディング外壁など、比較的劣化の少ない下地に広く使用されます。
防錆プライマー(さび止めプライマー)
金属部分の塗装に不可欠なプライマーです。
鉄部、鋼材、アルミニウムなどの金属素材に対して、さびの発生を抑制する防錆成分を含んでいます。
後述する専用のさび止め塗料と組み合わせて使用することで、より高い防錆効果が得られます。
浸透性プライマー
コンクリートやモルタルなどの多孔質素材に深く浸透し、脆弱化した下地を内部から強化します。
築年数の経過した建物や、チョーキング(白亜化)が進行した外壁に効果的です。
ウォッシュプライマー(エッチングプライマー)
金属表面に化学的に作用して、特に優れた密着性を発揮する特殊なプライマーです。
鉄、アルミニウム、銅、亜鉛など、ほとんどの金属に対して有効で、高い防錆効果も備えています。

シーラーとは|吸い込み防止に特化した下塗り材

シーラー(Sealer)は、英語の「seal(ふさぐ、密閉する)」を語源とする下塗り材で、多孔質素材の微細な穴や隙間を塞ぐことを主目的としています。
シーラーとプライマーは厳密には異なる機能を持ちますが、実務上はほぼ同義語として扱われることも多く、「シーラー」も広義のプライマーに含まれます。

シーラーの特性と使い分け

シーラーは粘度が低く、水のようにサラサラとした性状が特徴です。
この流動性の高さにより、表面の微細な穴に浸透して吸い込みを防止します。

水性シーラー
モルタル、コンクリート、石膏ボード、ケイカル板、ALCパネルなど、吸水性の高い外壁材に使用されます。
臭いが少なく、作業環境に配慮した施工が可能です。劣化の程度が軽度から中程度の外壁に適しています。
油性(溶剤系)シーラー
水性シーラーよりも浸透力と密着性に優れており、劣化の進行した外壁や、樹脂系サイディングなど特殊な外壁材に使用されます。
耐候性も高く、厳しい環境下での使用に適しています。
カチオン系シーラー
古い塗膜が残っている下地に対して特に有効なシーラーです。
カビや藻の発生を抑制する性能が高く、コストパフォーマンスと作業性にも優れているため、住宅の塗り替え工事で頻繁に使用されています。
ヤニ止めシーラー
コンクリートやセメント、スレートなど、アクやヤニを含む下地材に使用します。
これらの汚れ成分が塗装面に染み出してくるのを防ぎ、美しい仕上がりを長期間維持します。

サーフェイサーとは|表面調整と平滑化を実現する中塗り材

サーフェイサー(Surfacer)は、英語の「surface(表面、平面)」を語源とする塗料で、正確には下塗りではなく「中塗り」に分類されます。
サーフェイサーの最大の特徴は、上塗り塗料の仕上がりを重視している点です。
プライマーやシーラーが下地との密着性を重視するのに対し、サーフェイサーは表面を平滑に整え、上塗りの美しい仕上がりを実現することに主眼を置いています。

サーフェイサーの役割と使用場面

サーフェイサーは粘度が高く、厚みのある塗膜を形成できるため、以下のような効果があります。

  • 微細なひび割れ(ヘアクラック)の補修
  • 下地の凹凸や段差の平滑化
  • 補修跡の目立たない仕上がり
  • 上塗り塗料の発色性向上

特に築年数の経過したモルタル外壁で、劣化による凹凸やひび割れが多く見られる場合に効果的です。
コーキング補修だけでは隠しきれない細かな凹凸をサーフェイサーでカバーすることで、塗装完了後も下地の凹凸が浮き出ることなく、滑らかで美しい仕上がりを実現できます。

サーフェイサーとフィラーの関係

サーフェイサーと同様に、下地の凹凸を埋めて平滑にする下塗り材として「フィラー」があります。
フィラーは「fill(埋める)」を語源とし、サーフェイサーよりもさらに粘度が高く、厚膜を形成できる特性があります。
特に「微弾性フィラー」は、弾力性を持った塗膜を形成することで、ひび割れの動きに追従し、新たなひび割れの発生を抑制する効果があります。
モルタル外壁の塗り替えでは、フィラーとサーフェイサーを組み合わせて使用することも一般的です。

なお、下塗り工程を省略できるサーフェイサーや、プライマーの機能も兼ね備えた「プライマーサーフェイサー(プラサフ)」といった多機能製品も開発されています。

プライマーとサーフェイサーの使い分けの原則

外壁塗装の実務において、これらの下塗り材をどのように使い分けるかは、下地の素材と劣化状態によって判断します。

外壁の状態を正確に診断し、最適な下塗り材を選択することが、長持ちする塗装を実現する第一歩です。

下地の状態推奨される下塗り材理由
新築または劣化の少ないサイディングシーラーまたはプライマー密着性の向上と吸い込み防止が主目的
劣化の進行したサイディング浸透性シーラー下地の強化が必要
平滑なモルタル外壁(劣化軽度)シーラー吸い込み防止が主目的
ひび割れのあるモルタル外壁フィラー+サーフェイサー補修と平滑化が必要
金属部分(鉄部・鋼材)防錆プライマー+専用さび止め防錆対策が最重要
木部木部専用プライマー木材の吸水性と収縮への対応

鉄部塗装の要|さび止めの重要性と選び方

さび止めのイメージ

住宅の外部には、雨樋の支持金具、手すり、門扉、シャッター、庇の骨組みなど、さまざまな鉄部が使用されています。
これらの金属部分は、適切なさび止め処理を行わなければ、早期にさびが発生し、建物全体の美観と機能性を損ないます。

さび止めとサーフェイサーの違い

「さび止め」と「サーフェイサー」は、どちらも下塗り工程で使用される塗料ですが、その目的と機能は明確に異なります。
さび止め(防錆塗料)は、金属表面に塗布することで化学的または物理的にさびの発生を抑制することを目的としています。
さび止め塗料には防錆成分(防錆顔料)が配合されており、金属表面を酸化から保護します。

一方、サーフェイサーは表面を平滑にすることが主目的であり、防錆機能はありません。
サーフェイサーを塗装することで塗膜が厚くなり、結果として水分の侵入を一定程度抑制できますが、これは副次的な効果であり、さび止めの代替にはなりません。
したがって、鉄部の塗装では「ケレン作業(さび落とし)→さび止め塗装→必要に応じてサーフェイサー→上塗り」という工程が基本となります。

さび止め塗料の種類と特性

さび止め塗料にもいくつかの種類があり、下地の状態や使用環境に応じて使い分けます。

油性系さび止め
最も一般的なタイプで、優れた防錆性能を発揮します。
赤さび色や鉛丹色のものが多く見られますが、近年では環境配慮型の製品も増えています。
エポキシ系さび止め
密着性と防錆性能に優れ、特に厳しい環境下で使用されます。
工場や倉庫の鉄骨構造部など、高い耐久性が求められる箇所に適しています。
変性エポキシ系さび止め
作業性と性能のバランスに優れた製品です。速乾性があり、上塗り塗料との相性も良好なため、住宅の鉄部塗装で広く使用されています。

くりはら塗装が推奨するさび止め塗料

くりはら塗装では、鉄部の塗装を行う際に、大同塗料株式会社の「イージーワン」をよく採用しています。
イージーワンを選択している理由は以下の通りです。

速乾性に優れた作業効率
さび止め塗装では、下地の状態に応じて2~3回、場合によっては4回の重ね塗りが必要になります。
イージーワンは速乾性に優れているため、短時間で次の重ね塗り作業に移行でき、工期短縮とコスト削減に貢献します。
幅広い上塗り塗料との相性
多くの上塗り塗料と組み合わせることができるため、施主様のご要望や予算に応じた柔軟な塗装プランを提案できます。
優れた密着性
古い塗膜が残っている下地を含め、多様な金属素材によく密着します。
完全なケレン作業が困難な箇所でも、確実な防錆効果を発揮します。
美しい仕上がり
上塗り塗料の発色や艶を損なうことなく、美しい仕上がりを実現します。
グレー系の色調で、上塗り塗料の色に影響を与えにくい配慮がなされています。
十分な防錆性能
住宅の鉄部に求められる防錆性能を十分に満たしており、一般的な使用環境下で5~10年程度の耐用年数が期待できます。

もちろん、施主様から特定のメーカーや製品のご指定がある場合、あるいは下塗りと上塗りでメーカーを統一したいというご要望がある場合は、柔軟に対応いたします。お気軽にご相談ください。

外壁材別|最適な下塗り塗料の選び方

外壁塗装の耐久性と仕上がりは、外壁材の種類に応じた適切な下塗り材の選択によって大きく左右されます。
ここでは、代表的な外壁材ごとに推奨される下塗り材をご紹介します。

窯業系サイディング外壁

現在の住宅で最も多く使用されている外壁材です。吸水性があり、経年劣化によってチョーキング(白亜化)やひび割れが発生します。

劣化が軽度の場合
水性シーラーまたは浸透性プライマーを使用します。
表面をしっかりとコーティングし、上塗り塗料の吸い込みを防ぎます。
劣化が進行している場合
浸透性の高い油性シーラーや、下地強化型のプライマーを使用します。
必要に応じて2回塗りを行い、十分な下地強化を図ります。

モルタル外壁

築年数の経過した住宅に多く見られる外壁材です。ひび割れや凹凸が発生しやすく、下地調整が重要です。

ひび割れが少ない場合
浸透性シーラーで吸い込みを防止します。
ひび割れや凹凸がある場合
微弾性フィラーで下地を調整した後、必要に応じてサーフェイサーで表面を平滑に整えます。
この組み合わせにより、ひび割れの動きに追従しつつ、美しい仕上がりを実現できます。

金属系サイディング・トタン外壁

金属製の外壁材は、さび対策が最重要課題です。

さびが発生していない場合
ケレン作業で表面を整えた後、接着性プライマーまたは金属用プライマーを使用します。
さびが発生している場合
徹底的なケレン作業でさびを除去した後、防錆プライマーやエポキシ系さび止めを塗布します。
状態に応じて2~3回の重ね塗りを行い、確実な防錆処理を施します。

ALC(軽量気泡コンクリート)外壁

多孔質で吸水性が非常に高い外壁材です。

推奨される下塗り材
浸透性の高い専用シーラーを使用します。ALC外壁は特に吸い込みが激しいため、シーラーの2回塗りが推奨されることもあります。

下塗り工程で失敗しないための5つのチェックポイント

外壁塗装の品質は、下塗り工程の丁寧さで決まるといっても過言ではありません。
塗装業者を選ぶ際や、施工中に確認すべきポイントをご紹介します。

1.下地診断の実施

信頼できる塗装業者は、必ず事前に外壁の状態を詳細に診断します。
外壁材の種類、劣化の程度、ひび割れや剥がれの有無などを確認し、最適な下塗り材と工法を提案してくれるはずです。
診断なしに見積もりだけを提示する業者は要注意です。

2.下塗り塗料の明記

見積書や仕様書に、使用する下塗り塗料のメーカー名と製品名が明記されているか確認しましょう。
「シーラー」「プライマー」といった一般名称だけでは、どのような品質の製品が使用されるか判断できません。

3.塗布量の確認

下塗り材の効果を十分に発揮させるためには、メーカーが定める規定量を塗布する必要があります。
塗布量が不足すると、密着不良や吸い込み防止効果の低下を招きます。
1㎡あたりの使用量や、全体での使用缶数が明示されているか確認しましょう。

4.乾燥時間の遵守

下塗り材を塗布した後は、十分な乾燥時間を確保してから次の工程に進む必要があります。
気温や湿度によって乾燥時間は変化するため、塗料メーカーの仕様書に記載された条件を守ることが重要です。
工期を優先して乾燥時間を短縮すると、塗膜の不具合につながります。

5.施工写真の提供

下塗り工程は上塗りで隠れてしまうため、後から確認することができません。
各工程の施工写真を記録し、施主様に提供してくれる業者は、品質管理意識が高いと評価できます。

下塗りを軽視したことによる失敗事例

下塗り工程を省略したり、不適切な下塗り材を使用したりすると、どのような不具合が発生するのでしょうか。実際の失敗事例をご紹介します。

事例1:下塗りの省略による早期剥離

築15年の窯業系サイディング外壁の住宅で、コスト削減を理由に下塗りを省略して上塗りのみを2回行った事例です。
施工から わずか2年で広範囲に塗膜の剥がれが発生し、全面的な塗り直しが必要になりました。
結果として、適切に施工した場合よりも高額な費用がかかってしまいました。

事例2:不適切な下塗り材の選択

モルタル外壁にひび割れが多数見られたにもかかわらず、通常のシーラーのみで下塗りを行い、フィラーによる下地調整を省略した事例です。
塗装完了後も下地のひび割れが透けて見え、美観が損なわれました。
また、ひび割れ部分から雨水が侵入し、塗膜の膨れが発生しました。

事例3:鉄部のさび止め処理不足

雨樋の支持金具や手すりなどの鉄部に、さび止めを塗布せずにサーフェイサーと上塗りのみで仕上げた事例です。
1年も経たないうちに内部からさびが発生し、塗膜を押し上げて剥離が始まりました。
鉄部の塗装では、防錆処理が絶対に欠かせません。

これらの事例から分かるように、下塗り工程は決して省略できない重要な工程です。
適切な診断と施工が、長持ちする塗装を実現する基本となります。

まとめ|下塗りの品質が外壁塗装の寿命を決める

外壁塗装において、華やかな色彩や美しい仕上がりに目が行きがちですが、その美しさを長期間維持し、外壁を確実に保護するためには、目に見えない下塗り工程の品質が何よりも重要です。

プライマーは下地との密着性を重視し、シーラーは吸い込み防止に特化し、サーフェイサーは表面を平滑に整えて美しい仕上がりを実現します。そして、鉄部には適切なさび止めが不可欠です。

これらの下塗り材を外壁の状態に応じて適切に選択し、丁寧に施工することが、10年、15年と長持ちする外壁塗装を実現する秘訣です。

くりはら塗装は、我孫子市で60年以上にわたり培ってきた経験と技術をもとに、一邸一邸の外壁の状態を丁寧に診断し、最適な下塗り材の選定と確実な施工をお約束いたします。外壁塗装をご検討の際は、下塗り工程にもこだわる専門業者にご相談されることをお勧めします。

外壁塗装に関するご相談や、お住まいの外壁診断のご依頼は、お気軽にくりはら塗装までお問い合わせください。

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