2022.09.21

シーラー、プライマー、サーフェイサー…下塗り塗料の種類と違い

外壁塗装は1度の工事で、その後何年もの長い期間にわたり風雨や強い日差しに耐え得る、美しく強い塗装面を作り上げなければなりません。
近年では「セラミック塗料」や「ラジアル制御型塗料」といった、過酷な環境下でも美しさが長持ちする高機能な塗料が開発・販売されていますが、どんな高機能な外壁塗料も、「下塗り」がしっかりしていなければすぐに劣化してしまいます。

逆にいうと、下塗り材を適切に選んできちんと塗装していれば、上塗り素材が上に挙げたような高級品でなくても、外壁塗装はけっこう長持ちしてくれます。
仕上がったあとは人目につくことはないものの、非常に重要な役割を果たしている「下塗り材」について、今日はご紹介します。

外壁の材質で変わる下塗り塗料の種類と効果

下塗り材のイメージ

外壁塗装では、主役になる上塗り塗料の種類・性質と、下地の素材やコンディションをよく考慮した上で、最適な下塗り塗料を選択することが必要です。

下塗り塗料にはさまざまな種類がありますが、どんな下塗りにも「下地と上塗りの密着性を高め、塗膜を固く・強くする」という、基本的かつとても大切な役割があります。
また必要に応じて、脆くなった下地を強化したり、カビやサビの発生を抑えたりするという役割を果たすこともあります。

外壁塗装では主に、

  • プライマー
  • シーラー
  • サーフェイサー

という3種類の下塗り塗料が使用されます。
それぞれの下塗り材をご説明していきましょう。

プライマー

プライマーは、【primary(最初の、基礎の)】という意味の英単語が元になっている名称で、外壁塗装において“最初に”塗る、下塗り全般を指す総称、というのが一番的確な説明になります。つまり、下記にご紹介する「シーラー」もプライマーの一部ということになります。

「シーラー」と「プライマー」はほぼ同義語として、あまり区別されることなく使われることの多い名称ですが、それぞれの役割は少しずつ異なります。
プライマーは主に、金属のような平滑でツルツルした下地に使われる下塗り材として使用されます。

プライマーには下記のような種類ものもがあります。

●接着性プライマー

下地材と上塗り材の密着性の向上を主な目的として使用されます。最もスタンダードなプライマーです。

●防錆(ぼうせい)プライマー

金属部分のサビ止めを主な目的として使用されます。
金属部の塗装で一般的に行われるケレン作業(サビなどを落とす作業)が行えない場合にも、サビを抑え込む効果があるため効果的なプライマーです。

●浸透性プライマー

コンクリートやモルタルなどの下地が劣化して弱くなっているような場合に、染み込みながら下地を強化する目的で使用されます。
劣化が見られない下地にも、耐久力を上げて塗装を長持ちさせる目的で使用されることがあります。

●伝導性プライマー

電気を通しやすく、静電気を発生させにくくする特性のあるプライマーです。
静電気で製品が故障する恐れのあるような精密機器を扱う工場や、静電気でホコリや汚れが吸着してしまうのを避けたい製薬工場などで使用されることがあります。

シーラー

外壁塗装で仕上げに使われる上塗り塗料は下地となる外壁材が塗料を吸収してしまうと、色ムラが発生して施工不良になってしまいます。
そのため、上塗り塗料を吸い込まないよう外壁材にまず下塗りするのが「シーラー」です。

シーラーの語源は英語の【seal(ふさぐ)】で、表面に目に見えないサイズのものも含めて大小の穴が多くある素材(「多孔質材料」といったりします)の穴をふさぐ、という意味があります

シーラーは上塗り塗料の色ムラを防ぐと同時に塗装面の密着性を高めるため、美しく耐久性の高い外壁塗装には不可欠な存在です。

シーラーにも複数の種類があります。

●浸透性シーラー

吸収性の高い下地材(ケイカル板・ALCパネル・モルタルなど)の場合に使用します。

●ヤニ止めシーラー

ヤニ・アクを含んでいるし下地材(コンクリート・セメント・スレートなど)に対して使用し、塗装面に汚れが染み出してきてしまうのを防ぐために使用します。

●カチオン系シーラー

下地に古い塗膜が残っている場合に使用します。カビや藻の発生を防ぐ性能も高いうえに、コストパフォーマンス・作業性も良好です。

サーフェイサー

英語の【surface(表面・平面)】を語源とする「サーフェイサー」は、下塗りではなく「中塗り」にあたり、特に劣化が多く見られる古い下地材によく使用されます。

劣化していて凸凹やひび割れが多い下地はそれらをまずコーキングなどで補修してから塗装に取り掛かりますが、補修のあとも凸凹は完全に元どおりにはならず、そのまま上塗りへ進んでしまうと、塗装完了後にも下地の凹凸が浮き出てしまうようになります。

そこで、上記のプライマーやシーラーなどの下塗り材を塗装し終わった後、それらの下塗り材では隠しきれない凹凸をカバーするためにサーフェイサーを使用します。サーフェイサーの効果により、塗装面の仕上がりはさらに平滑で美しくなります。

下塗りを必要としないサーフェイサーや、プライマーの役割も兼ねた「プラサフ」と呼ばれるサーフェイサーもあります。

鉄部にはさび止め 栗原塗装がこだわるさび止めとは?

さび止めのイメージ

上にも少し書きましたが、鉄部の塗装を行う際にはサビ止めについても十分に考慮しておかなければなりません。

くりはら塗装が鉄部の塗装を行うときには大同塗料株式会社が販売している「イージーワン」をよく用います。

さび止め塗装を行うときは、下地の状況に合わせて2~3回ほど、下地の傷みが特に激しい場合には4回は重ね塗りすることがあるのですが、速乾性のイージーワンは短時間で次の重ね塗り作業に入れるので作業性が良く、重宝しています。

またイージーワンには、十分な防錆性能があるのはもちろんのこと、

  • たいていの上塗り塗料と相性が良好
  • 旧塗膜が残っている下地も含めて、多種多様な下地によく密着する
  • 上塗り塗料の発色や艶を邪魔することなく、美しい仕上がりになる

などの特色があるのも、愛用している理由です。

もちろん施主様の側で、下塗り・上塗りで塗料メーカーを統一したい、特にこのメーカーのものを使用して欲しい、などのご要望がある場合は、柔軟に対応いたしておりますのでぜひお申し付けください。

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