2019.09.10

塗装・建築現場では必須!? 足場の組み立て等作業主任者とは?

屋根・外壁塗装工事は足場組立に始まり、足場解体に終わります。仮設足場は高所作業を安全に行うために設置されるものですが、事故の起こりやすい場所でもあります。

今回は足場組立・解体の際の安全のために必要な「足場の組み立て等作業主任者」という資格についてご紹介します。

足場の設置・解体の現場には資格所有者が必要

「足場の組み立て等作業主任者」とは、「労働安全衛生法」という法律に基づいた国家資格です。

足場の組み立て等作業主任者は、

  •  張り出し足場や吊り足場など、特殊な種類の足場組立
  •  高さが5mを超える構造の足場組立

などの作業を行う時に、必要になります。

張り出し足場や吊り足場などは屋根・外壁塗装では使用しませんが、屋根・外壁塗装の際の仮設足場は5mを越える高さになる(※平屋の場合を除く)ので、屋根・外壁塗装工事の際にもこの資格が必要になります。

「作業主任者」という資格には明確な目的がある!

「ガス溶接作業主任者」や「エックス線作業主任者」など、作業主任者にもさまざまな種類があり、建築から医療まで幅広い分野の現場でそれぞれの作業主任者が必要とされますが、どんな作業主任者にも「労働災害の防止」という、明確な目的のもとに配置されています。

仮設足場というのは工事現場の中でも特に労働災害の起きやすい場所ですが、足場組立・解体の際の労働災害(主に転落事故)は労働安全衛生規則にもとづいた墜落防止措置を行っていないなど、法令違反が原因になっています。

足場の組み立て等作業主任者は、そのような事故が起こらないよう監督するというとても重要な責任を担っているのです。

もし、足場で何らかの労働災害や事故が起こってしまうと、最悪の場合には刑事責任や入札参加資格停止といった行政責任を負わなければならない事態にも繋がる可能性を考えれば、いかに大切な資格かがわかるでしょう。

実務経験で学科免除! 講習+修了試験で取得が可能

「国家資格」というと、長い期間勉強してかなり難易度の高い資格試験をパスしなければならないもの、というイメージがあるかもしれませんが、「足場の組み立て等作業主任者」は、他の資格試験に比べれば、まったく難しくありません。

「足場の組み立て等作業主任者」になるには、

  •  足場組立・解体などの実務経験が3年以上、かつ満21歳以上
  •  土木・建築・造船などの学科を専攻して卒業していれば、実務経験が2年以上、かつ満20歳以上

という受験資格を満たしていなければなりません。

資格の取得には2日間の講習と修了試験を受ける必要がありますが、足場組立に関する講習をしっかり聞いていれば修了試験は簡単にパスできますので、一般的な資格試験のように、足場組立に関する教材をたくさん買い込んで、何ヶ月も前から試験勉強をする、という必要はありません。

足場の組み立て等作業主任者講習の受講料は

  •  2019年9月30日まで:15,690円
  •  2019年10月1日から:16,000円(新料金)

となっています。

資格を持っているだけではダメ、法律にあわせて日々勉強

先述の通り、足場の組み立て等作業主任者は労働安全衛生法に基づいた資格ですが、この労働安全衛生法もしばしば改正されることがあります。足場組立に関する法律が改正されたからといって過去に取得した作業主任者の資格が無効になるわけではありませんが、やはり法改正に合わせて、何がどう改正されたかをよく理解し、足場組立や解体に関する安全性の向上を目指して行かなければなりません。

また、法改正に合わせて「足場の組み立て等作業主任者能力向上教育」なるものが実施されることもあります。

足場組立の現場では、無事に資格を取得できても慢心せず、日々勉強を重ねていくことが肝心です。

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