2023.05.25

屋根材や外壁材の温度上昇を防ぐ遮熱・断熱機能を持つ塗料をご紹介

外壁塗装リフォームで使用する塗料を選ぶ際は、カラーだけでなく機能性にも注目することが大切です。
塗料メーカー各社はいろいろな高機能塗料を販売していますが、今回はそのような塗料の中でも人気の高い「断熱塗料」「遮熱塗料」とはどのようなものなのか、ご紹介します。

外壁・屋根塗料の遮熱・断熱塗料のしくみ

「断熱」と「遮熱」は似たような機能に思えるかもしれませんが、実は異なる性能なので塗料を選ぶ際にはその違いをよく理解しておくことが必要です。

遮熱塗料の特徴

  •  熱の伝導ではなく発生を抑える
  •  夏の暑さには有効だが、冬場は室内が暖まりにくい

遮熱塗料は、屋根・外壁が日差しで熱くならいよう、太陽光に含まれている赤外線を効率よく反射させる役割を果たします。
日光に含まれる赤外線の働きで、日差しの強い夏場に室内は暑さで過ごしにくくなってしまいますが、遮熱塗料で外壁を塗装しておけば、屋根・外壁表面の温度の上昇が抑えられ、室内を涼しく保つのに役立ちます。

逆に、冬場も家が日差しで暖かくなりにくいというデメリットがあります。

断熱塗料

  •  熱の発生ではなく伝導を抑える
  •  夏・冬の冷暖房効率を上げる効果もある

断熱塗料を塗装すると夏場に日差しで屋根・外壁が高温になっても熱が室内側に伝導しにくいため、室温が上昇しにくくなります。
さらに、「熱の伝導を抑える」という働きは、冬場に暖房で温めた室内の熱が外へ逃げないように保つ役割も果たすため、夏場も冬場も、光熱費を抑えつつ、室温を一定に保つ効果を期待できます。

断熱・遮熱塗料の特徴

  •  熱の発生と伝導、両方を抑制する
  •  一般的な塗料に比べてかなり高額になる

一つの塗料で断熱と遮熱両方の機能を備えているものは、「断熱・遮熱塗料」といいます。
将来的には価格が下がる可能性もありますが、遮熱・断熱塗料は現在のところかなり高額です。

温暖化と物価高で夏場の電気代高騰は不可避

2023年5月現在、日本全国の大手電力会社7社による電気料金の値上げが政府によって了承されています。平均値上げ幅は各社開きがありますが、東京電力の値上げ幅は15.3%となる見込みです。これでも全国の電力会社の値上げ幅と比べると最小なんですね(最大は北陸電力の39.7%)。

電気料金に上乗せされている「再エネ賦課金」が引き下げや、政府の負担低減策などの緩和もありますが、温暖化が進んでいくこともあわせて考えると2023年以降の夏場の電気代の負担額は増加していくことはほぼ間違いないといえる状況です。

このような状況を考えると、やはり住まいのリフォームに「省エネ」を取り入れていくというのが一つの有効な対策かもしれません。
屋根塗装に遮熱塗料を採用する場合、遮熱塗料の費用相場は

4000〜5000円/㎡

くらいが目安になるかと思います。屋根の塗装面積が100㎡なら、屋根塗装の塗料代だけで40〜50万円程度とかなり高額になってしまいます。質の良いシリコン塗料なら費用相場は3000〜4000円/㎡くらいが目安なので、遮熱塗料にする場合、シリコン塗料を使用する場合との塗料代の差額は10〜15万円前後といったところでしょうか。

NHKの報道によると先述の政府の電気料金負担軽減策が適用されるのは2023年9月の使用分までで、その後は月平均で2,800円ほどの負担増になるとのことです。もちろん、燃料価格がさらに高騰すれば電気代がさらに値上がりすることも考えられます。
遮熱塗料が大幅な電気代の節約につながるわけではありませんが、将来に備えて少しでも住まいの省エネ性能を向上させておきたい、という場合には遮熱塗料も一つの選択肢になるでしょう。

もちろん屋根の塗装がまだ劣化していないのにわざわざ遮熱塗料で塗装しなおす、というのは得策ではありませんが、もし近々屋根塗装リフォームを検討しているなら、遮熱塗料の価格や性能、耐用年数などを詳しく調べながら検討してみるのがおすすめです。

この遮熱塗料、強い日差しに長時間さらされる屋根塗装では特に大きな効果を発揮しますが、外壁塗装においては費用をかけるほどの効果を実感しにくいことも考えられます。
わたしたちくりはら塗装では、あくまで「屋根における使用」をおすすめしています。

塗料による遮熱効果、断熱効果はどれくらい?

これらの断熱・遮熱塗料には実際のところどれほどの効果があるのでしょうか?

住宅の屋根・外壁にはロックウールやグラスウールなどの断熱材が使われているので、実は家屋はなんの塗装もされていない状態でも、ある程度の断熱性能があるのです。そのため、断熱塗料や遮熱塗料は快適な住空間を作るために有用な塗料ではあるものの、塗料だけで住み心地が飛躍的にアップする、というわけではないことを覚えておきましょう。

また、電気代の高騰を受けての省エネ対策として遮熱塗料の採用を検討するときにも、屋根を全面遮熱塗料にしたときに電気代がどれほど節約になるかは試算が難しいところです。

なかには断熱塗料、遮熱塗料の過剰な宣伝広告も見受けられますが、機能性に期待しすぎるとちょっとがっかりしてしまうかもしれませんね。

くりはら塗装が外壁塗装でよく使う、断熱・遮熱塗料

くりはら塗装で断熱・遮熱塗装を行う場合は、下記のような塗料を使用しています。基本的にほとんどの断熱塗料・遮熱塗料が屋根用として開発されているものです。

日本ペイント

サーモアイ(遮熱塗料)
日本ペイントが非常に力を入れている遮熱塗料で、住宅用・工場用・道路用など、用途に合わせて多数のラインナップがあります。
パーフェクトクーラーベスト(断熱塗料)
断熱塗料「パーフェクトクーラー」はラジカル制御型と言われる、紫外線からくるダメージに非常に強い耐久性を持つ塗料です。
年中強い日差しにさらされる屋根に塗装しても、断熱性能を長期間にわたり保つことができます。

エスケー化研

クールタイトシリーズ(遮熱塗料)
低汚染性の屋根用断熱塗料です。
塗装面にカビやコケが生えると遮熱性能が低下してしまうのですが、この塗料は高い防カビ・防藻性も備えているため、遮熱機能は長持ちします。
サーモシャット(遮熱・断熱塗料)
遮熱と断熱両方の機能を備えていて、高い省エネ効果を期待できる塗料です。
ひび割れに対する追従性(弾性)があり、細かなクラックの生じやすいコンクリート製の陸(りく)屋根にも有用です。

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