2025.10.20

遮熱塗料と断熱塗料の違いとは?屋根や外壁の遮熱・断熱機能を持つ塗料を徹底解説

外壁塗装リフォームで使用する塗料を選ぶ際は、カラーだけでなく機能性にも注目することが大切です。
塗料メーカー各社はいろいろな高機能塗料を販売していますが、今回はそのような塗料の中でも人気の高い「断熱塗料」「遮熱塗料」とはどのようなものなのか、ご紹介します。

外壁・屋根塗料の遮熱・断熱塗料のしくみ

「断熱」と「遮熱」は似たような機能に思えるかもしれませんが、実は異なる性能なので塗料を選ぶ際にはその違いをよく理解しておくことが必要です。

遮熱塗料の特徴

  •  熱の伝導ではなく発生を抑える
  •  夏の暑さには有効だが、冬場は室内が暖まりにくい

遮熱塗料は、屋根・外壁が日差しで熱くならないよう、太陽光に含まれている赤外線を効率よく反射させる役割を果たします。
日光に含まれる赤外線の働きで、日差しの強い夏場に室内は暑さで過ごしにくくなってしまいますが、遮熱塗料で外壁を塗装しておけば、屋根・外壁表面の温度の上昇が抑えられ、室内を涼しく保つのに役立ちます。
逆に、冬場も家が日差しで暖かくなりにくいというデメリットがあります。

断熱塗料

  •  熱の発生ではなく伝導を抑える
  •  夏・冬の冷暖房効率を上げる効果もある

断熱塗料を塗装すると夏場に日差しで屋根・外壁が高温になっても熱が室内側に伝導しにくいため、室温が上昇しにくくなります。
さらに、「熱の伝導を抑える」という働きは、冬場に暖房で温めた室内の熱が外へ逃げないように保つ役割も果たすため、夏場も冬場も、光熱費を抑えつつ、室温を一定に保つ効果を期待できます。

断熱・遮熱塗料の特徴

  •  熱の発生と伝導、両方を抑制する
  •  一般的な塗料に比べてかなり高額になる

一つの塗料で断熱と遮熱両方の機能を備えているものは、「断熱・遮熱塗料」といいます。
遮熱・断熱塗料は一般的なシリコン塗料などと比べると高額ですが、長期的な省エネ効果を期待する場合には検討の価値があります。

電気料金の動向と省エネ対策の重要性

2022年の燃料輸入価格の高騰により電気料金が上昇しました。
政府の一時的な補助金などにより抑えられていたものの、物価上昇の影響や再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)などで現在も上昇傾向が続いています。

電気料金の動向には燃料価格や賦課金など様々な要因が影響するため、将来的な電気料金の変化を正確に予測することはできません。
しかし、地球温暖化による夏場の気温上昇は続いており、冷房需要は今後も高止まりすることが想定されます。

このような状況を考えると、住まいのリフォームに「省エネ」を取り入れていくというのが一つの有効な対策といえます。

屋根塗装に遮熱塗料を採用する場合、後述する主要メーカーの遮熱塗料の施工費用は、例えば日本ペイント「サーモアイSi」の場合、平滑スレート屋根で6,400円/㎡(3工程)となっています。
屋根の塗装面積が100㎡なら、屋根塗装の費用は64万円程度です。
一般的なシリコン塗料の費用相場3,000〜4,000円/㎡と比較すると、遮熱塗料のほうが高額になります。

遮熱塗料が大幅な電気代の節約につながるわけではありませんが、住まいの省エネ性能を向上させる選択肢の一つとして検討する価値はあります。

もちろん屋根の塗装がまだ劣化していないのにわざわざ遮熱塗料で塗装しなおす、というのは得策ではありませんが、もし近々屋根塗装リフォームを検討しているなら、遮熱塗料の価格や性能、耐用年数などを詳しく調べながら検討してみるのがおすすめです。

この遮熱塗料、強い日差しに長時間さらされる屋根塗装では特に大きな効果を発揮しますが、外壁塗装においては費用をかけるほどの効果を実感しにくいことも考えられます。
わたしたちくりはら塗装では、あくまで「屋根における使用」をおすすめしています。

塗料による遮熱効果、断熱効果はどれくらい?

これらの断熱・遮熱塗料には実際のところどれほどの効果があるのでしょうか?

住宅の屋根・外壁にはロックウールやグラスウールなどの断熱材が使われているので、実は家屋はなんの塗装もされていない状態でも、ある程度の断熱性能があるのです。
そのため、断熱塗料や遮熱塗料は快適な住空間を作るために有用な塗料ではあるものの、塗料だけで住み心地が飛躍的にアップする、というわけではないことを覚えておきましょう。

また、省エネ対策として遮熱塗料の採用を検討するときにも、屋根を全面遮熱塗料にしたときに電気代がどれほど節約になるかは、住宅の構造や使用状況によって異なるため一概には言えません。

くりはら塗装が外壁塗装でよく使う、断熱・遮熱塗料

くりはら塗装で断熱・遮熱塗装を行う場合は、下記のような塗料を使用しています。基本的にほとんどの断熱塗料・遮熱塗料が屋根用として開発されているものです。

日本ペイント

日本ペイント サーモアイSi(遮熱塗料)
日本ペイントが提供する2液弱溶剤シリコン系の屋根用高日射反射率塗料です。JIS K5675(屋根用高日射反射率塗料 2種 2級)に適合しています。
【主な特徴】
  • スレート、鉄、トタン屋根、ガルバリウム鋼板に適用可能
  • 40色以上の豊富なカラーラインナップ
  • 全日射反射率28.4%~91.0%(色により異なる)
  • 施工費用:平滑スレート屋根6,400円/㎡(3工程)、鋼板屋根6,240円/㎡(3工程)

エスケー化研

クールタイトシリーズ(遮熱塗料)
エスケー化研が提供する低汚染性の屋根用遮熱塗料シリーズです。グレード別に複数の製品がラインナップされています。
【主な特徴】
  • 近赤外領域を反射する遮熱性能
  • 低汚染機能により長期間美観を保持
  • 防カビ・防藻性を備え、遮熱機能が長持ち
  • クールタイトSiの期待耐用年数:6~8年
製品構成:クールタイト(ウレタン)、クールタイトSi(シリコン)、クールタイトF(フッ素)、水性クールタイトシリコン、水性クールタイトフッソ

アステックペイント

スーパーシャネツサーモSi(遮熱塗料)
アステックペイントが提供する高耐候性遮熱塗料です。長期的な遮熱効果を求める場合に適しています。
【主な特徴】
  • チタン複合特殊無機顔料使用
  • 高遮熱効果と優れた耐候性
  • 低汚染性を有する
  • 期待耐用年数:13~16年

まとめ

遮熱・断熱塗料は、住宅の省エネ性能を向上させる選択肢の一つです。
特に屋根塗装において効果が期待できますが、一般的なシリコン塗料などと比べると費用は高額になります。
築10~20年の戸建て住宅で屋根の塗り替えを検討している場合は、塗料の性能・耐用年数・費用を総合的に比較検討することが大切です。
くりはら塗装では、お客様のご予算やご要望に合わせて最適な塗料をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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