日本の木造住宅の外壁に使用されているサイディングは、金属製にせよ窯業系にせよ約30~40年が寿命といわれています。つまり、サイディングは塗装や点検といったメンテナンスを適切に行なっていても施工後30~40年経てば建材としての耐久力・保護力を失ってしまうのです。
寿命がきたサイディングはどうすればよいのでしょうか?
寿命がきたサイディングは塗替えではごまかせない
寿命を迎えたサイディングは紫外線や風雨などの外部の悪影響から家屋全体を守るという外壁本来の役割を果たすことはできなくなるため、全面的なリフォームが必要になります。劣化してしまったサイディングを塗装し直しても塗料本来の性能は発揮できず、外壁はまたすぐにボロボロになってしまいます。
窯業系サイディングの場合は浸透性強化シーラー(下地に吸収されることにより下地を強化する下塗り材)を使って補強するという方法もありますが、サイディング本来の強度が回復するわけではないため、あまりおすすめできません。
寿命を迎えたサイディングをリフォームする方法には
という2種類の選択肢があります。
サイディング張替えと重ね張りのメリット・デメリット
サイディングの「張替え」「増し張り」にはそれぞれ下記のようなメリットとデメリットがあります。
サイディング張替えのメリット
サイディングの張替え工事では、自分の望むデザイン・素材のサイディングを自由に選択でき、外観を刷新することができます。また、施工時に古いサイディングを全て剥がしてしまうため、外壁内部の防水シートや、土台、柱などにカビ・腐食などの劣化が見られないかもチェックすることが可能で、家屋の強度や外観を元通りかそれ以上に回復・向上させることを期待できます。
サイディング張替えのデメリット
張替え工事は総工費が増し張り工事よりも高く、30~50万円ほど高額になります。(※金額はあくまで目安とお考えください)
また、施工する建物の規模にもよりますが、工期も増し張り工事より1.5~2倍ほどの長さになります。
サイディング増し張りのメリット
増し張り工法では、張替え工事よりも比較的安価な費用で自宅の外観を刷新することができます。工期も一般的な一戸建て住宅で3~4日ほどと短期間で施工できます。
サイディング増し張りのデメリット
増し張り工事では耐震強度を保つため、重さのある窯業系サイディングは使用できず、ほとんどの工事で使用できるのは軽量な金属系サイディングに限定されます。しかし、金属系でも外壁にかかる荷重が増えることに変わりはなく、地震の際に家屋にかかる負荷は若干大きくなります。
判断に迷うときはまず調査してみましょう
増し張り工法は既存のサイディングの劣化が激しければ増し張り工法は採用できないこともありますので、まずはプロの目で外壁を調査してみるのが確実です。
くりはら塗装ではサイディングの増し張り・張替に関する調査やご案内も承っております。
窯業系サイディングのおすすめメーカー
ニチハ株式会社
ニチハ株式会社は窯業系サイディングでトップクラスのシェアを誇る外装材専門メーカーです。窯業系でも木目調・レンガ調・石造り調などデザイン性の高いサイディングを多数取り揃えています。
ケイミュー株式会社
ケイミュー株式会社は屋根・外壁材に加えて雨どいや雨水タンクなども製造しています。軽量で強い外装材を得意としており、防音性や防汚性に優れた高機能なサイディングを多数ラインナップしています。
金属系サイディングのおすすめメーカー
アイジー工業株式会社
創業50年になる金属サイディング専門メーカーです。シンプルで扱いやすい金属サイディングを多数取り揃えており、金属サイディングではトップクラスのシェアを誇っています。
旭トステム外装株式会社
外装専門のメーカーで、断熱材とセットになった独自の金属系サイディング「Dan」シリーズなどユニークな商品展開をしています。自社ウェブサイトでは、自社商品によるカバー工法についてくわしく解説しています。