美しい黒い木目の外壁を取り戻す
今回の事例は、我孫子市我孫子にある、理容室の外壁塗装事例です。
建物は鉄骨の平屋建て店舗で、プレハブ的な建物に木製の外壁パネルが貼ってある構造です。
築年数は十数年と古くはないのですが、外壁の黒い木部が日焼けしているので塗り替えたいとのことからご依頼いただきました。
理容室は月に2回ほど連休があるのですが、その連休を利用して塗り替えを工事を実施し、営業日には影響が出ないようにしました。
塗装工事の流れ
足場設置 高圧洗浄 コーキング補修 防腐剤塗装
まず初日に、高圧洗浄でコケなどを落とします。木製の外壁パネルはコケが生えやすく、とくに北側の外壁はコケが多く生えていましたので入念に洗浄しました。
その後、割れた部分をコーキングで補修します。外壁は木の木目がそのまま生かされているため、節の部分(枝が伸びる丸い部分)の節が落ちて穴になってしまっているところがありました。
補修の方法としては、パテなどを使って穴埋めする方法もあるのですが、パテで埋める場合は、穴がしっかりと埋まるのですが、外壁全部にパテを塗る必要があり、木部の質感が失われてしまいます。
また、すでにコーキングで修復されている痕跡がありましたので、コーキングで修復しました。
2日目は外壁塗装になります。
外壁の木目を生かしつつ、防腐、防虫効果のある塗料「キシラデコール」を使用します。
ドイツ製の塗料で、油性と水性がありますが、今回は油性の塗料を使いました。色はジェットブラックです。
昔の日本の建築物にも黒い外壁の建物がありますが、それらは柿渋や灰墨を使って塗られています。
柿渋は青い未熟な柿をつぶした汁を発行させたもので、平安時代から防水・防腐剤として使われていました。
灰墨はごま油や菜種油などの油煙を掃き落と取ったものに、膠(にかわ)を混ぜて作った墨に漆などを加えたもので、掃墨などとも呼ばれます。
どちらも天然由来の塗料なので、エコではあるのですが、匂いがきつく、色も日焼けしやすいという欠点があります。
外壁以外の軒天や樋については、おなじみ「一液ファインシリコンセラUV」を使いました。
15時頃には塗装を終え、足場を解体しました。
天候に恵まれたこともあり、翌日までには塗料はすっかり乾き、理容室は問題なく営業できました。