プール槽の水を抜いての塗り替え工事
5月中旬から下旬にかけて、我孫子市立湖北台東小学校のプール槽の側面を塗り替えました。
発注者は我孫子市教育委員会で、工期は1週間。夏に子どもたちがプールを使うための準備です。
本来ならば、プール槽の側面だけでなく、底面も塗り替えたいところなのですが、予算の都合で、底面の塗り替えは翌年以降になります。
並木小学校のプールはプールサイドだったので、水を抜く必要はありませんでしたが、湖北台東小学校の塗装工事は、プール槽の側面なので、水を抜かなければなりません。
塗装工事前に、学校の先生方が水を抜いてくださり、掃除もしてくれました。ありがとうございました。
塩素を除去し、専用塗料で塗装
プールサイド塗装工事の流れ
ケレン（サンダーがけ） 高圧洗浄 下塗り（モルタル用プライマー） 中塗り（プールコートスペシャル） 上塗り（プールコートAU）
通常の塗り替え工事と同様に、まずはケレン（清掃）と高圧洗浄で塗装面をきれいにします。プールの場合、塩素が苔のようになって付着しているので、きれいに剥がしていかなければなりません。
プールの壁面に塩素が付着して、灰色になっています
丁寧にサンダーがけをしていくと、塩素が剥がれて水色の壁面が見えてきます
塩素を削ると、本来のプールの色（水色）になります。
プール槽は中塗り、上塗りいずれも専用塗料で塗っていきます。プール専用塗料の特徴は、耐水性に優れているのはもちろん、塩素などの薬品で塗料が溶け出さないようになっています。
いくつかのメーカーで専用塗料が製造されていますが、大同塗料の「プールコート」シリーズがもっともメジャーです。国内のおよそ8割のプールは「プールコート」で塗られています。
中塗り用の「プールコートスペシャル」はエポキシ樹脂の塗料です。エポキシ樹脂は耐衝撃性に優れ、耐薬品性もあり、塩素で溶け出すことがありません。ただ、紫外線に弱く、色が変わりやすいという欠点があるため、上塗りでは使われません。
上塗り用の「プールコートAU」はウレタン塗料になります。ウレタン塗料は紫外線に強く、色やけ止めの効果もあります。
プールといえば「水色」のイメージが強いので、専用塗料にはカラーバリエーションがないと思いきや、意外とさまざまな色があります。今回は、メインにパステルブルー（水色）の塗料を使用し、レーンラインの色に黒、アクセント部分に白の塗料を用いています。
下塗りにモルタル用プライマーを塗ります
中塗りはエポキシ樹脂製の「プールコートスペシャル」
上塗りの後にさらに黒や白の「プールコートAU」を塗ります
塗り替えられたプールの水面を見て、子どもたちがいつもより少しだけでも涼しさを感じてくれたらうれしいものです。
