ラバーシートが張替えできないため塗装を実施
今回の事例は高野山小学校のプールサイドの塗装事例です。
コロナ禍において、プール授業の実施は各小中学校に委ねられています。
塗装工事実施段階で、高野山小学校はプールの授業を行う予定であったことからご依頼をいただきました。
我孫子市はまん延防止措置が6月20日で解除となり、6月21日以降、高野山小学校はプールを授業で使っています(7月2日現在)
とはいえ、確保した予算はそれほど大きなものではありません。
本来であれば、塗装工事ではなく、プールサイドのラバーシートを全面交換する方がよいのですが、交換できるほどの予算が確保できないため、破損部分の塗装工事ということになりました。
プールサイド塗装工事の流れ
ラバーシートの除去(サンダーがけ) 高圧洗浄 クラック(ひび割れ)処理 下地処理(コテによる手作業) コテむらの処理 下塗り 端部コーキング処理 上塗り2回
クラックが膨張し、塗装後にすぐにひび割れを起こす
今回はプールサイドの部分補修と塗装ということで、ラバーシートの損傷が激しい部分のみ実施します。
ラバーシートを剥がし、高圧洗浄をかけた後に、クラック(ひび割れ)をコーキングで補修します。コーキングによって埋まったひびの部分は凹凸ができるので、コテを使って手作業で均していきます。
その後、透明のシーラーで下塗りし、大同塗料の『プールサイドコート』を上塗りしていきます。
『プールサイドコート』は遮熱性のあるノンスリップ塗料で、プールサイド専用の塗料です。
色はパステルグリーンにしました。
塗装後、数日経って様子を見に来ると、補修して塗装したにもかかわらず、クラックができていました。
コンクリートは熱や水によって膨張や収縮するので、ひび割れた部分が膨張すると、どうしてもひび割れてしまいます。
再度、クラック処理を行いましたが、またひび割れを起こすかもしれません。
安全面を考えても、本来ならば上からラバーシートを敷いてほしいものです。
写真はないのですが、このほかに、教職員と保護者の方がプールを掃除して判明した、プールの底の部分のコンクリートの剥離も補修しています。
見た目としては塗装した部分は明るい緑になったので、綺麗なのですが、コンクリートの上に塗料を塗っただけなので、クッション性はありません。
ですから、プールサイドは絶対に走らないようにしましょう。
毎年、市内の小中学校のプールの塗装工事をやらせていただいていますが、予算の都合上、部分塗装であったりラバーシートを張り替えられないといったケースがほとんどです。
各学校にプール施設はありますが、使うのは1年のうちで、1か月ほど。昔と違い少子化ということもあり、授業の回数と保守管理の予算を考えると、各校にプールがあるというのも考えものです。
複数の学校で共同で使用したり、市営プールや民間プールなどを有効活用するなど、プール授業の在り方を考える時期なのかもしれません。