劣化が進んだ漆喰外壁の塗り替え
今回の事例は布佐にあるキリスト教会の外壁と屋根の塗り替え工事です。元請けは工務店で、補修工事も行います。くりはら塗装は協力会社として塗装部門を担当しました。
築年数は三十年近く経っており、外壁塗装としては今回が2度目とのことです。
外壁は漆喰でできており、屋根はトタン屋根です。
漆喰は劣化が進んでおり、本来ならば左官屋さんに漆喰を塗りなおしてもらった方がよい状態です。
しかし、前に塗り替えたときに（弊社が担当したわけではありません）、漆喰に塗料を塗っていること（しかも漆喰用の塗料ではない）もあり、お客様（工務店）の依頼で工務店側で補修後、塗装することになりました。
塗装工事の流れ
足場設置（とび） 漆喰の修復（コーキング） 高圧洗浄
【屋根】 下塗り 上塗り
【外壁】 下塗り 弾性吹き付け 上塗り
【木部】 ケレン パテで修復 下塗り 上塗り
【十字架】 ケレン 下塗り 上塗り
漆喰の上に吹き付けというイレギュラーな塗装
劣化が進んだ漆喰の外壁は、あちこちにひび割れが生じていました。古い塗膜も剥がれており、工務店側でサンダーがけをしてひび割れをコーキングします。
修復の終わった外壁に対し、SK化研の『ミラクシーラーエコ』（クリア）を使って下塗りし、その上から弾性吹き付け塗材を塗布します。使った塗材はSK化研の『レナフレンド』です。
ひび割れた漆喰にコーキングで補修がされていますので、弾性吹き付け塗材で、表面をでこぼこさせることによって、補修箇所を目立たなくさせます。また、外壁の補強も兼ねています。
漆喰の上に弾性吹き付け塗材を塗布するというのは、あまりやったことがありません。
というのも、漆喰の上に塗材を塗ってしまうことによって漆喰のもつ本来の機能が失われてしまうからです。
今回の教会の外壁は、劣化も進み、前回の塗り替えでも塗料が塗られてしまっているため、漆喰の機能はすでにほとんど失われていました。
せっかくの漆喰がもったいないとも思いましたが、お客様の依頼ですので、ペンキで塗り固めます。
弾性吹き付けは塗膜を厚めにし、上塗りはシリコン塗料を使いました。
ひび割れなどをコーキングで補修した漆喰壁に弾性吹き付け塗材を吹き付けます
弾性吹き付け塗材の上にシリコン塗料を塗ったので漆喰の面影はありません
教会のシンボル、十字架は白のフッ素塗料を使用
屋根は下塗りに『サーモアイプライマー』、上塗りに遮熱塗料である『サーモアイSI』を使用しました。
木部は、ケレンの後、穴や段差をパテで埋めて均します。下塗りに『イージーワン』、上塗りにシリコン塗料の『一液ファインシリコンセラUV』を用いました。
屋根の上にある、教会のシンボルともいえる十字架はステンレス製で、さびついていました。
ケレンでさびをしっかりと落とした後『イージーワン』で下塗りし、上塗りにフッ素塗料の『デュフロン』（日本ペイント）を使いました。色は白です。
トタン製の屋根はグリーンの遮熱塗料で塗り替えます
教会のシンボルともいえる十字架は白のフッ素塗料を使いました
今回の外壁塗装は漆喰の上にペンキを塗るという、きわめて稀な塗装事例となりました。
5年後、10年後にメンテナンスする時、どのような状態になっているのか、とても興味深いです。
まさに神のみぞ知るといったところでしょうか
